「踏切の幽霊」で高野和明作品がやっぱり面白くて、次を物色中に古本屋で見つけた作品。初期作品でどうかなとちょっと心配でしたが、さすが高野和明!と言える秀作でした!
『6時間後に君は死ぬ』と未来が見える謎の人物を軸とし、見えない未来をいかに生きるかを前向きに表した連作短編。1編ずつ。。。
6時間後に君は死ぬ
刺殺されると予言された女性と共にそれを回避すべく動く2人。果たして予言は当たるのか、当たるとして犯人は?残り4時間・・・1時間・・・5分と「ジェノサイド」を思い起こさせるハラハラドキドキでした
時の魔法使い
人生上手く行ってないと思っている所に子供の頃の自分が20年前からタイムスリップして現れたら、過去の選択を変えるように示唆を与えるか否か・・・
自分だったら・・・と思わずにはいられませんでした。
私はしばし悩んだ末に(今の所)『変えない』です
恋をしてはいけない日
恋をしてはいけない日と予言された日に、事故に巻き込まれたのを助けてくれた人は果たして・・・切なくも希望のあるお話でした
ドールハウスのダンサー
オーディションになかなか受からない悩めるダンサー。その将来が予言的に人形で作られ展示されているドールハウス。それらが交わる時・・・
一番のオカルト的お話ですが、夢をかなえることだけが幸せではない、いいお話でした。
3時間後に僕は死ぬ
「6時間後に君は死ぬ」の対であり同じ2人の後日譚。
自分の最期を見てしまった予言者と2人。その予言が実現しないよう再びカウントダウンの中奮闘、、、そして、「6時間後に」のときの予言も、、、
巧いですね~
エピローグ 未来の日記帳
主語が表れないまま進むお話。ふと手に入れた未来のことが書かれている日記帳。
これを読むのは短編に出て来たあの人か?予言者か?はたまた読者か?
最後のページに書かれていたのがこの一連の作品のテーマなんでしょう。大事な言葉でした。ネタバレかもなので白字で書き留めて置きます。
『明日は、きっといい日だよ。』