京都で読み終えてました。これで十分なのに、上野までキューン

幕末熱の勢いに任せて読み始めたのが、想像もしてなかったよい巡り合わせで終えられました。

満を持して「花神」ここに完!

 

 

下巻は

長州藩は、各戦線において勝った。

で始まる四境戦争の総括から。

その後、上野戦争(彰義隊討伐)でもうひと盛り上がりと思っていたら、それは巻末の方で、その間最後(最期)に向けての西郷隆盛との関係、比較を中心とした解説風が延々と。

物語としては面白くないけど、大村益次郎の最後(最期)、更には維新とは何だったのかが語られる大事な部分。

そして、最後まで「大村益次郎」ではなく「蔵六」で語られる。私もこの方がしっくりきます。

 

面白さの点では、過去記事での引用や人物がここでいろいろ出て来ましたひらめき電球

 

蔵六さんの故郷でありお墓がある山口・鋳銭司 大村神社の碑にあった

防長の山河の美しさは天下に比類がない。・・・

は下巻序盤でした。

 

大鳥圭介はこのように端的的確に描かれてました。

蔵六と瓜二つのコースをへて右と左にわかれてしまったこの洋学者は、・・・

 

彰義隊の所で渋沢栄一、成一郎登場!

実は「青天を衝け」で成一郎が彰義隊の重役になるのにビックリしたのでした。その前に何度もこれで読んでいたのに全く覚えてなかったということでした汗

成一郎についてはしっかり一部始終書かれており、「青天を衝け」の高良健吾さんがまさにピッタリグッド!

容貌もすずやかで能弁であり、さわやかな印象をもっていた。

京都時代、むしろ栄一以上に活躍した・・・明治後栄一にならって実業界に入ったものの成功はしなかった。

 

宇都宮戦争で官軍の増援を蔵六さんに談判しに来るのが楢崎頼三でしたアップこの名前も全く記憶に残ってませんでした汗

蔵六さんを「百姓の子」と蔑み、談判では完全に論破されてしまうチョイ悪役でした。

もし飯沼貞吉の物語が花神執筆時に知られていたら間違いなく話はそちらに飛んでいたでしょう。どんな風に司馬氏が描いたでしょうか。

 

と、やはり長くなってしまいますので、ここで最後のくだりを。

最後は蔵六さんの辞世が他人の作を代用したらしいとのいきさつで、今作を象徴するような次の一文で締め括られました。

そうであるとすれば、いかにもそのほうが村田蔵六らしい。