中先代の乱完結~湊川の戦~尊氏九州落ち~南北朝鼎立まで、一区切りから大きく歴史が進む熱い内容だけでなく、歴史解釈に震えた超名作巻でした
ということで、内容に大きく触れます。
(表紙が楠木正成なところでもう半泣きw)
乱の呼び名
「恵美押勝の乱」を対比にしつつ、「諏訪頼重の乱」ではなく北条時行に主体性があった「中先代の乱」であること
中先代
「北条時行」ではなく「中先代」とあまり使われない表現がわざわざ当時から使われていた。北条氏への尊敬の念が多くあったことがまた違う形で分かりました。
足利尊氏像
ここで今回の1シーン。
髷を切って出陣し新田軍を一蹴。
長らく足利尊氏像とされ、『いや違う』『やっぱりそう』と諸説ある騎馬武者像を敢えてカッコよくしたのではないかと
「時行」!!
楠木父子の桜井宿の別れもしっかり描かれました
そこで息子に二人に与えた名が「正行」と「正時」。通字の「正」に「時行」!!
本当にその意図があったかどうかは置いておいて、これには震えました
ああ湊川
湊川の戦の最期は史実から離れたものでしたが、この作品にとってはこうあるべきものでしょう
正成最期の有名な台詞とされる『七生報国』。後醍醐帝への忠義や尊氏への恨みとされていますが、その人となりから私はどうもしっくり来てなかったのです。
(そもそも弟正季の台詞なのもありますが)
今作での正成-尊氏の深い友情、何度生まれ変わっても敵でもいいから会いたいの意に非常に納得しました
おまけ、
千種忠顕の瞬殺に爆笑でした