大きく時代が動く第四章!
歌を中心に点描的に。
飛鳥から近江への遷都
仏教ではなく、三輪山・大物主神への別辞の儀式が行われます
そこで額田王が詠む歌
三輪山を 然も(しかも)隠すか雲だにも
心あらなむ 隠さふべしや
遷都後、琵琶湖東岸蒲生野での縦狩(みかり)
そこで葛城王子と額田王の1シーンが挿絵でした。
狩りの夜の宴で行われた有名な額田王と大海人王子との歌の応報、あくまで飲み会での座興との新解釈で面白かった。
(奈良県のHPでもこの説が有力と書かれてました)
それにしても、茜、紫の色彩にいろいろ意味を込めた歌、オシャレです。
額田王
茜さす 紫野行き 標野(しめの)行き
野守は見ずや 君が袖振る
大海人王子 返歌
紫の にほえる妹を憎くあらば
人妻ゆゑに 我恋ひめやも
中臣鎌足の死、葛城の病~大海人の出家から吉野落ち、そして葛城(天智天皇)の薨去と、額田王の願いに反して大乱へ向かっていきます。
この中で、大海人は優柔不断、一方、讃良は性悪、強引、野心家と従来イメージとは違う所も読みどころです。
(なかなかイメージしにくいなぁと思ってましたが、「鎌倉殿の13人」の北条時政とりくのイメージでしっくり。宮沢りえさん=持統天皇なかなかいいです)
章末最後の一文
雲の出始た夏空を、燕が一羽、低く翔んだ。
壬申の乱へ!