書き出しに困ってしまったので、帯にあった作者の言葉をお借りして、
少しばかり不思議な話を書きました。
木と森と、空と大地と、
ヒトの心の物語です。 ---夏川草介
第一話 寄り道
最初の一文が季節と場所を端的に表現していて、そのまま吸い込まれて行きました。
九月の弘前は、いまだ夏の名残を濃厚に残していた。
ここに描かれていた弘前城を中心に、いつか行ってみたい所の1つです。
第二話 七色
十一月の京都は、黄と紅の町である。
で始まる京都編。
岩倉~鞍馬での本当に美しい紅葉と不思議で心温まるお話。
学生時代の夏休みにこの叡山電車に乗って鞍馬、貴船神社まで行ったのですが、電車の風景全く覚えていない
代わりにその時鞍馬寺の奥の義経堂で撮った写真を。
(印画紙の写真をデジカメで撮り直したものなので映り込みがあります。心〇写真ではありませんので念のためw)
でも、真夏の昼間なのに薄暗くひんやりとしていて本当に天狗が居てもおかしくないと感じたことはよく覚えています。
今年の11月は混雑なく京都の秋を楽しむ最後のチャンスと思っているので、何とかしたいものです
第三話 始まりの木
冬の信州を北から。
長野を経て松本へ!
でも、松本城の近くに泊まって、後は駅前のハンバーガーショップと病院で終わり
ちょっと残念なまま帰京と思った所で寄り道。
それが伊那でした
実は伊那にはちょっとした縁があるのです。
と言っても、自動車教習所の学生相手の合宿というやつで2週間ばかり滞在しただけなんですが(笑)
お陰で”始まりの木”の周辺含め、伊那周辺の雰囲気は良く分かりました。
第四話 同行二人
3月の土佐宿毛。
「旅屋おかえり」での檮原含めてこの辺りは未踏の地。
いつかは。
第五話 灯火
4月の東京文京区。
こちらも学生時代ちょこっと縁があった所。
描かれているのがそこの近くかどうかは分かりませんが、記憶にある風景を膨らませて読みました。
そして、この章で描かれる日本の宗教観がしっくり。
老住職は、徳利を取って・・・(中略)
「・・・神様でも仏様でもどっちでもいいんだが、とにかく信じるかどうかは大きな問題じゃないんだ。感じるかどうかなんだ」
と、私の学生時代の薄れつつあった記憶が引き戻されたのもあって、不思議な体験を一緒にした感じです。
それに、超毒舌な偏屈学者と物怖じしない院生の組み合わせがクセになってしまいました
続編を期待しつつ、次は神と仏の織り成す世界(の物語)に行ってみようかと思います