『旅に、旨いものに、大人の恋』ぐらいの少し軽い気持ちで読み始めたら、
心をグサグサ、ヒリヒリさせられながら止まりませんでした。
キレキレの文章に、油断すると主が代わっている一人称。そんな戸惑いも心地良く感じながら。
「あなたの愛人の名前は」と同じく、島本理生さんが描く”特別ではない”男女はとても好感が持て共感してしまいます。
今作では椎名さんと知世さん。
それと対照的であるはずの妹・知夏の物語が1章あったことで、より良かったのだと思います。私もそれまでは『性格悪!』で片付けてましたが、人はそんな簡単ではないですね。
描写では、『月』もそうでしたが、今作では女性から見た男の描写が男から見てもゾクッとするほど印象的でした。
特にやっぱり指~手![]()
それに男の一人称。僕~俺。
・・・そう言えば自分も言われたことがあります![]()
書き留めておきたい一節を3つ。
ああ、と思う。本当に一つ一つやっていくつもりなのだな、と。信頼されるために。
行きたい、は、生きたい、と同じイントネーションだということに気付いた。
・・・純度の高い絶望が揺れていた。・・・
完全に島本理生作品にはまってしまいました。
続けて読みたいけど、何がいいかな![]()
