壬申の乱ゆかりの地迹太川に行く前に、まとまった本を読んでおこうと行き着いたのが松本清張。
随分昔に、「ゼロの焦点」、「砂の器」、「点と線」は読んだことがあって、推理小説や社会派小説のイメージが強いです。
古代史についても大きな業績・影響を残していたんですね。
この作品は小説ではなく、定説や日本書紀の誤りや意図的改変を追求し、事実を明らかにする論文みたいなものです。
しかし、そこは名作家。素人の私でも楽しく読めました。有難いです。
雑感を少し。
・大友皇子即位説は非常に説得力がありました。これからは弘文天皇と言わねばです。
因みに、大友皇子生き延びていた説にはノータッチ。
ただ、後に持統天皇が三河に巡幸したと触れられており、何か伝説との関係が想像されました。
・豊臣~徳川との類似性
決戦地の一つ不破の関が関ヶ原なのは有名ですが、他にも、
弘文天皇の下、5人の有力者が政権運営にあたっていたとか、
天智-天武は血のつながった兄弟かは?とか。秀吉と家康も義兄弟ですからね。
等々、
歴史は繰り返す。面白いですね。
そして、改めて手塚治虫の凄さを感じました。
この複雑なお話のポイントを非常に上手く「火の鳥」に組み込んでいるのが良く分かりました。
迹太川の故事も、日本書紀では伊勢神宮に向かってとなっているが、この時期はまだ確立してないはずだそうです。なので「火の鳥」では神宮ではなく太陽そのものにしたのかも知れません。
1300年前だけでなく、昭和の巨人2人にも思いを馳せつつ巡らねばなりませんね。
梅雨入りした東海地方、来週末、お天気が良ければ