令和4年度技術士第1次試験が先日行われました。翌日に公式解答の発表が試験実施機関である公益社団法人 日本技術士会より、公開があり事実上の自己採点が可能となりました。その結果として、技術士1次試験に合格された方、不合格の方と別れたかと思います。

 

個人的には、令和3年に建築設備士を取得後に次の目標とするビッグ試験を1級建築士にするか技術士(衛生工学部門)のどちらか悩んだところです。結果、技術士を先に受験することとしました。そこで1次試験対策をやってきましたが、正直なところ勤務先がDXに本腰をいれ、それのプロジェクトに入れられたので(自分の仕事は減らずにプラスでプロジェクトの仕事もする→自分の独学勉強時間が減るという構図)、技術士に専念して勉強できたわけではありませんでしたが、どうにか自己採点で合格することができました。

 

技術士第1次試験全般、とくに技術士衛生工学部門第1次試験の受験対策や自分の所感を、今後受験する方に役に立つように述べたいと思います。

 

とくに、技術士衛生工学部門はマイナーで、受験者が少ないため商業的には技術士試験予備校では相手にしてもらえていません。おおむね、受験者が1000人を超えるものが商業的にはメリットがあるようで、予備校で受験対策本や受験対策コースがあります。実際に、令和2年の1次試験受験者で1000人を超えているのは、機械、電気、建設、上下水道、環境。われらが衛生工学部門はたった370人。ほぼ相手をしてもらえませんね。なので、予備校等の受験業界から発信される情報はほとんど期待できない。

 

そもそも、2次試験からスタートという方が多いので、大学の過程等によって1次からというのは絶滅危惧種に近い。

 

さらには、個人ブログを拝見させてもらいながら参考とすべきなのでしょうが、これまた申し訳ないですが体系的に、理論的に、分析してあるものは無いようで。1トピックスで取り扱われたり、自己の合格経験を流れで記述しているものはありましたが、なかなか明確な衛生工学の1次試験対策論を語っているのは見当たりませんでした。

 

基本的には「文系出身」で、技術士を目指そうとする独学の方に役に立てればと思い書いています。(そもそもそのような受験生が存在するのか怪しいですが)

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以下のテーマに分けて述べていきたいと思います。

1 技術士試験の概要3010-1

2 勉強期間・スケジュール3010-2

3 総勉強時間3010-3

4 一次対策(専門科目過去問分析)3010-4

5 一次対策(独学勉強方法・過去問演習)3010-5

6 一次対策(テキスト・参考書:基礎科目・適正科目)3010-6

7 一次対策(テキスト・参考書:専門科目)3010-7

8 その他1(保有していると技術士試験に役に立つ資格)3010-8

 

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5 一次対策(独学勉強方法・過去問演習)

 

基本的には、過去問ベースでの勉強になるのかなと思います。

 

正直、これまでの資格試験と同様。

 

過去問演習のみ。

 

これに尽きます。

 

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〇基礎・適正

 

技術士の場合は、問題選択制で30問のうち15問選択し、うち50%の獲得で合格となります。

 

なので、8問正答を導き出せると基礎科目の合格を勝ち取れる。

 

しかし、分野が広く過去問をみて、すべて履修したことがあり「わかるぞ」となることはまずないかなと思います。

 

学生時代の履修科目と社会人後の技術士受験に至った過程での職務経験から、この分野はどうにかやれそうだとなってくるのだろうと。

 

そこで、問題選択である程度いけるのであれば、そのまま過去問演習で逃げ切りになると思います。

 

しかし、過去問演習では履修分野が狭く厳しい場合はどうするか。

 

高校・大学で履修していない分野というか、あまりに履修に偏りがあって、基礎科目で50%確保が難しい場合には戻る必要があるのかもしれません。しかし、これはかなりの労力を必要とするので、軽くおすすめはできないかなと思います。

 

ただ、センターレベルの化学や生物で拾えたりする問題もそこそこあるので、molのみ、酸化還元のみ、DNAのみとかで分野を絞るのはありかもしれません。正直、酸化還元やmol等の過去問は高校化学のレベルでやれてしまう。ここらのピンポイントでの復習などはやる価値はあるのではないかと。

 

といいながら、自分は3群解析については、応力、ばね、ベクトル(苦手意識あり)、行列(苦手意識あり)、振動などは、がんばれず諦めていました。笑 

 

まあ、そもそも高校化学や物理の範疇超えているので、過去問見てやれるレベルにするには相当労力がかかりそうなので・・・。

 

各受験生が、どれくらい基礎科目で行けそうなのか判断するのがよいかと思います。

 

基本は過去問の範囲内でやれるようにする。穴が多々あり、50%が厳しい場合は特定の高校レベルの範囲は戻って勉強するのはありかもしれない。

 

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〇適正科目

 

これについては、何も言うことはなく。

 

過去問とひたすらやる。それだけ。

 

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〇専門:衛生工学部門

 

これについても、何も言うことはなく。

 

過去問とひたすらやる。それだけになってしまいます。

 

衛生工学部門のすべての出題範囲の業務を経験したことがある人はまずいないと思いますので、未経験の分野についてはきちんと過去問を解いて、法的根拠なり、技術的根拠なりをしっかりと理解・把握していけばよいかなと思います。

 

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まとめ

 

〇基礎科目及び適正科目は過去の受験生のスペックで勉強時間がきまる。

 

〇基礎科目は、その単元を初級レベルに戻ってまでやる場合は、高校レベルの過去問程度でやったほうがよい。それ以上のレベルだと投下勉強時間と得点の効率が悪い。

 

〇適正科目は、過去問をやるのみ。

 

〇専門科目は、これまた過去問をやるのみ。