大手予備校さんなど受講生の母数が多いこともあり、合格率であったり、合格者数であったり華々しく広告することはよくある話です。

 

 

自分も大学院時代は、就職・資格系予備校の経済学講師をそれなりにして、お金をもらって人様に教えていました。なので、自分が大学院進学する前の学部生のころ予備校の合格率などを見てこの予備校しとけばとか思ったりしていた側と実際に教えて内情を知る側を経験しています。

 

数字のマジックというか、見せ方については受け取る側がきちんと理解していないと、だまされるというか、この予備校いいんじゃないと思ってしまうということです。

 

というと、このブログを読まれた方が予備校否定にとらえられかねませんが、営業妨害するつもりはありません。

 

大手予備校さん、ちゃんとしてくれますよ。情報も豊富、予想問題も当ててきます。きちんと講義を受ける、配信をきちんと見て理解しようとする、課題をきちんとする、というような当たり前のことを予備校より指示されたタイミングでやっていれば合格する可能性は高くなります。

 

よく予備校ダメ論をいう方もいらっしゃいますが、講師側を経験した立場から言うと、生徒側にとって都合の良い部分のみをやってもそれは合格しませんね~と思うことはあります。

 

経済学の場合、多くの経済理論はその証明を数学をベースに行います。なので、数学は切っても切れない関係にあります。ところが、私立文系大学で高校時代に数学を苦手として進学した多くの学部生は苦しめられることになります。

 

そこに、経済学は数学だ!などと言うと総スカンを食らい、やる気を失ってしまうわけです。なので、「経済は数学いるっていうけど、そこまではないよ。いるものだけ勉強すれば大丈夫だから。」という甘い言葉というか、そんなに数学頑張らなくていいよというニュアンスの言葉をいうわけですが。そこだけに過剰反応して、自分の勝手な数学のやるラインを引いて、話が違うというようなことになるのは、経済学講師業あるあるです。

 

国立文系受験で求められる数2Bの微分までは最低やれないと経済理論の話は進まないのですが、かってに「そこまでやらなくていい」を数1のみでやれると思い込む。よくあります。そして、文句を言われる。

 

ということを踏まえたうえで、某予備校の広告をみてみると

 

〇一次試験

 

75%合格!全国合格は32.8%で2倍となっています。すごいですね。

 

でも、母数を見てみると40人。。。令和3年度の実受験者数は2900人なんでうち1.3%での話。全国規模の予備校さんなんで、もっと受講者多いはず。通信講座の場合が、出席とか把握しにくいので、通学の生徒さんのみとしていることは容易に想像できますが、にしても40人って少なくない?と思わけです。

 

しかも出席8割、課題提出8割をクリアした人40人というのも少ない。逆に通学でこのハードルクリアできる人間がこれぐらいしかいないということでしょうか。

 

ある意味、サンプルの母数を厳選しているんですね。これぐらい厳選しても75%って。逆に建築設備士試験難しいってことだと自分は思います。大手予備校のノウハウ、情報力、予想問題力をしても25%落ちるって。

 

だって、出席8割、課題8割ってかなりやる気ある人だと思いますよ。独学でいうなれば、合格達成可能な勉強量を確保したうえで自己の勉強計画をほぼ達成するぐらいのレベルと思います。でも25%落ちる。

 

受講料は約36万円。

 

全体平均の32.8%って、なにも準備せずに受験している人間も含まれているわけであって、意識高い系の独学者のみを母数にすると合格率はかなり高いと思います。

 

教材を集めたり、過去問を集めたり、さらには過去問分析をやってくれるという手間の部分をどう評価するのかということだと思います。

 

一次試験の過去問関係のブログ↓

 

 

メルカリなりAmazonなりで最新過去問以外の古い一次試験過去問を見るとかなり高騰しています。自分が集めていたころと比較にならないぐらい令和3年以降高くなっています。建築設備士試験においては、独学でも一定のコストは必要になってきているということです。受験費用だけで合格しようとする時代は終わっているということです。

 

独学の場合は、とうぜん過去問集め、過去問分析、自己の実力判定などすべて自分が行い、勉強計画の策定、進捗管理はすべて自分です。独学で、きちんと結果を出せる人と出せない人に分かれます。

 

仮に20年分集めるとすると、3万から4万円程度でしょうか。

 

〇二次製図試験

 

72.8%合格!全国合格は49%で23.8%高い。

 

二次製図の場合は、昨年の製図不合格組と一次合格組の混合で、受験者の母数としてのレベルは一次試験の母数と比して高いのは当たり前。

 

令和3年度から、5年のうち3回受験の持ち越し制度に変更となったので、とにかく二次に合格するというインセンティブは令和2年以前よりは低くなっています。そのなかで、予備校の講座を受講して20%の確率が上がるということなのです。

 

受講料は約40万円。

 

これまた、製図の過去問を集めようとしてもメルカリで講習会のテキスト兼過去問も1万円から2万円程度の値がついており、きついものがあります。しかし、最低10年分は集めても数万です。予備校よりは安上がりです。必要なコストと考えるしかないのです。

 

ただし、自分でテキストの中身を理解し、たまに間違いがあるのでそこに気づき修正する能力が求められるます。

 

質問もできないので、製図講習会に参加すると質問する権利が得られるので、そこにかけるしかない。

 

講習会2万5千円、製図過去問講習会テキスト数冊、2万円から6万円は最低限のコストとなるかと。5万から10万程度の過去問関係のコストは発生します。

 

 

やはり、受験料まで含めるとトータル15万程度は独学であったとしても見込んでおいたほうがよいでしょう。

 

一次は独学、二次は予備校という方法もありでしょうし。

 

各人の財力と時間と基本スペックに依存してくると思います。

 

自分は、過去問をとにかく集めて、過去問分析すれば合格できるという方針のもとやっています。予備校は残念ながら、家事なり子育てなりあるので時間をとることができません。すべてスキマ時間で勉強時間を捻出している状態では、とても通学することはできません。

 

自ずと独学しか選択肢はありません。

 

受験者が多く、メジャーな資格の場合は、予備校なり個人の体験ブログが豊富なので、過去問分析はしなくて済むことが多いです。

 

情報が少ない試験の場合は、過去問をなるべく安く集めて、15年から20年分ほど。そこから傾向と分析を行い、自己の勉強計画を組み立てるというやり方をせざるを得ません。

 

建築設備士だけではなく、それ以外の資格試験でも同様です。特に、建築設備士については情報が少なく、他の資格試験と比較して自分で分析をする手間が非常に取られたのは明らかです。

 

ここまで試験分析したので、取得をもって終わりにするのももったいないので、ぼちぼち建築設備士受験独学組に有益な情報を提供することができればと思い、ぼちぼちと建築設備士試験関係の情報を扱っている次第です。

 

予備校は予備校の良さがあります。独学は独学の良さがあります。

 

予備校はその分コストは高くなりますが、試験分析、受験者の指導、試験情報は豊富です。

 

独学もこと建築設備士については、5年分の過去問と講習会のテキスト&製図4年分で合格する時代は終わっています。過去問を集めるという一定のコストは必要になっているという認識は必要だと思います。

 

一次合格率0.75×二次合格率0.728=0.546

 

54.6%の最終合格率