ICUでは毎朝ポータブルでレントゲンを撮ります。
先生たちの朝のミーティングでその結果を話したりしています。
手術から数日経った日のこと。
それまでは特に何の変化もなくICUで経過を見ていたのですが、この頃から何か胸のあたりが痛い。
例えるなら骨が折れてるような感じで、息をすると痛みを感じた。
【4月8日】
レントゲンを撮った結果、肺が真っ白。
どうやら肺炎、肺うっ血を起こしていたのです。
さらに尿量の著名な減少による腎機能の悪化も認められました。
すぐに処置が必要になったので、主治医と担当医の先生が私のところに話をしにきてくれたらしいのですが、私はそのときの記憶がないんです。
その後すぐに治療に入りました。
人工呼吸器、人工透析を導入。
【4月9日】
酸素化が低下。肺炎とうっ血による肺障害が進行している。
現在の状況が改善しない場合、肺障害を治療する時間を稼ぐために、体外式膜型人工肺ECMOの導入が必要になる。(コロナのニュースで耳にすることが増えたけど、まさか自分が使うことになるとは。)
本来ならECMOと人工透析を同時にやるのは禁忌とされているが、現在の状況では透析をやらざるを得ないこと。
肺炎の場合、感染の急激な増悪の可能性があるため、ECMO装着は推奨されていない。しかし、現在は低酸素血症のままでは腎臓を含め細菌感染症に対しても抵抗できない。低酸素症を少しでも改善し、全身の組織に少しでも多くの酸素を供給するためECMOを導入するしかないのが現状。
念のためPCR検査を行ったが結果は陰性。
【4月12日】
ECMO離脱。透析再開。
その後、全身管理を行いながら呼吸器離脱に向けて鎮静薬量を減らしていったが、覚醒が悪かったため頭部のCTを撮った。
結果、後頭部右側に軽い脳梗塞の所見あり。ICU管理でのデバイスによる血栓が原因だという。
また、左上下肢と手指に麻痺が残ったものの、リハビリによる運動で徐々に改善された。
カルテに記載されてた内容を簡単に写してみました。
以上が一ヶ月の間にあった出来事です。
つづく。