9月半ばの10日間、パリへ。

 
台風の影響で関空からの便が飛ぶかわからない状況の中にも、
なんの根拠なく『なんとなく行ける気がする。』
果報は寝て待て状態で待っていたら、
わが飛行機の発つ日から、フライトが再開した。
 
前日の正午までのんびりしていた本人を前に、
『よくそんな状態でイライラしないね。』
『早くキャンセルして代わりのフライト探した方がいいで!』
と周りがそわそわ心配してくれる程。
 
果たしてフライトが確定した後、
自信満々だったくせに直前までライブと企画が続き準備を怠っていたために
(言い訳だけど)、
トランクを詰め終えたのは前日の夜中3時だったのでした、ねむい(°_°)

・・・・

目的は、高齢になる画家Barlachにもう一度逢いに行く事と、
パリの父母と過ごすこと。
箕面の日本茶BAR?CHA no Maのオーナーの友達が、
パリに出したお店を見に行くこと。

Barlachはドイツ人の画家・版画家で、ホロコースト時代にパリにやってきた人。

http://barlach-heuer.com/

2年前にパリに行った時、はじめてお逢いしハグされた瞬間、

そのエレガントさと香り立つ色気に本気で立ちくらみした、

超ダンディーなムシュー。


さて、それ意外は特にカチコチの予定もないまま、
フライトの曖昧さと直前の忙しさの中で混乱のまま飛び立ったけれど、
1ヶ月くらいの浦島太郎になって帰ってきた感覚を覚えたほど、
たくさんの人や出来事に出逢えた旅だった。

直前まで企画をお手伝いしていたパリ在住のトランペッター沖至さん。
そのつながりでエスパスジャポンの事務所にお邪魔させてもらったり、
ご無沙汰していたドラマー (であり、パリの情報誌OVNIの前編集長でもあり素敵なグルメレポーターでもある)佐藤真さんにも再会でき、
美味しいごはんやパリの音楽のことお話聞いたり、
タイミングが合って最高のライブに伺えた。

 
それに、今回もまたパリの父母と過ごしながら、
たくさん食べ、たくさん話し、暮らすように過ごせた時間だった。
(この2人の胃袋は、本当にすごい。と、今回も感歎とともに平伏。)

それ以外の時間は1人でテクテクいろんなところへ行った。

見たいものを探してメトロのストにも負けず目的の駅にたどり着き、
食べたいものを目指してひたすら歩き(もう執念)、
行きたかった場所にふらっと立ち寄った。

本屋、蚤の市、公園、アラブ世界研究所、スパイス屋さん。
カフェでぼーっとしたり、書き物をしたり、
スーパーで安い食材にヨダレを垂らしたり、
たくさん写真を撮った。

街や人に同化して、歩く、歩く、歩く。
大阪の街を歩いているのと同じような感覚になっていく。


日本にいる時は「あれをしなければ、これをしなければ」
生きるためのTO DOに追われる。
ごはんを食べる、洗濯をする、水やりをする、
お風呂に入る、服を決める、掃除する、
いろんなことのやりとり、調整をする。
そして、決められた時間に仕事に行く。

日々の暮らしをやっていくだけでも大変なのに、
何かトラブルがあったり体調を壊すと気持ちや身体が回らなくなって、
生活の全てがストップする。

これからの人生で、いったい空白の時間がどれほどあるのかな。
毎日の全部をまっさらにしたくなった時に、
Barlahに逢いに行くという目的も重なって「えいっ」と決めた今回の旅。
周りのみんなのおかげでお休みをもらっていつもより少しだけ長く行けた今回は、
『あぁ、そろそろ自分の家が懐かしい。』と思えるくらい、充実した時間だった。

旅が非日常というよりは、日常につながって終わった、
はじめての不思議な感覚。

どちらに向かうのも懐かしい。
もっともっと行ったり来たりが増えたら、
もしくは、2つの場所を行き来して暮らす人は、
そんな感覚なんだろうか。


◆エピローグ : 思い出に残るは肉・肉・肉。
普段の1ヶ月分の肉を食べたのでは(¬_¬)
というくらい、肉(とフレンチフライ)を食べた。

それに、スーパーやマルシェで売っている
野菜や果物、乳製品、ビネガー、スパイス、の
安さと種類の多さ。

スーパーを何度ぐるぐるしたことか。

そうしてフランスのふだんのごはんにすっかりハマってしまったので、
密やかにごはん革命が起ころうとしています。


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11月の谷川賢作&アバウトタイムの映画音楽コンサートの詳細が決定。
その他にもちらしをスケジュールに更新。

https://ameblo.jp/pyyan/entry-12234788917.html