今回はスピーカーエッジ張替えネタ。
オーディオ仲間の4343のエッジがボロボロとなったので
張替えを頼まれた。対象はJBL4343である。
スピーカーエッジにはもちろん様々な素材があって
一例を挙げていくと・・・布、紙、ラバー、そして今回問題になっているウレタンである。
このウレタン、加工性もよくメーカー御用達なのだがいかんせん日本の過酷な気候によって経年劣化し、加水分解で最後にはスポンジの様相となり、大体早ければ3-4年、よくもって7-8年で触っただけでボロボロと崩れていく状態となる。
もっとも、モニタースピーカーとしても過酷に使われるJBLラージモニターは
「この状態になったら他の部分も点検が必要なのでメーカーに出してくださいね」
のサインらしいのだが、いかんせん高い!!。
エッジのみならずダンパーを含めたコーン紙全体の交換となるので、1本でウン万円オーダーである。
資金潤沢なスタジオなら維持の為出すだろうが(最近そういうスタジオはめったに無いけど)
個人で数年おきにウン十万円(スコーカー・ウーハーで4本分・・汗)に上る金額を出すのは到底無理。
・・・ということでボイスコイルに深刻な問題が無ければ
今回のエッジのみの張替えで急場をしのぐのはアリである。
なお最初に注意点だが、エッジがボロボロの状態で長期間使用したものに今回の処置は当てはまらない。
ダンパーの変形やボイスコイルのこすれでエッジ張替え後のセンター出しが不可能だったり、そもそも断線で音が出ないなど別の深刻な問題を抱えている為だ。
エッジがだめになったら可及的速やかにエッジのみの交換を行うことが結果的に投資を抑えるコツとなる。
今回はファンテックの434Xkitを利用した。ラバーエッジもあるのだが、耐久性的にはゴムもべたべたしたり割れていったりして大して変わらないのと、
4343はちょうど張替えのタイミングでアッテネーターのガリなども診たほうが良くボロボロになったらどうせまた声が掛かるので同素材を選択した。
結果、JBLのポリシーは一理あることになる(笑)

ドナーとなるスピーカーは、あらかじめ古いエッジを指等で取り去り
きれいにしておく、実はこの作業が全体の9割を占める上、手を抜くと最後の仕上がりに影響するのであせらずやる。
べたべたする場合、ある程度取り去ったところでブレーキクリーナーを充分吹いてぬぐってやればほとんどどれる場合が多い。
このあたりは体力勝負。傷が付かないよう樹脂スクレーパーでガシガシ残り物を削る。このとき紙製やゴムのガスケットは再利用するので
間違って捨てないように気をつける。
またコーンは当然紙なので力加減にも気をつける必要があることと
溶剤は吸ってしまうのでコーンには使わないほうが良い。

コーン紙側に先にボンドをつけ、その後エッジにボンドをつける
コーン紙側のボンドが若干透明になったら今回はいわゆる裏張りなのでコーンにエッジの接着部分を少しずつ潜り込ませていく。

うまくやると極端にはみ出すことも無く上記の状態となる。
コーン紙とエッジの接着部分を指で全周押さえていって密着させる。しばらく乾くまで放置。
なお、まだフレームとの間は接着していない。

スコーカーエッジもある程度省くがやり方はウーハーと同様。
ここからは写真が無い(手がボンドでべたべたとなったため)フレームにボンドを下塗りし、上から押さえて密着させる。
ここからは時間との勝負で、コーン紙を手で加減しながら押し、ガサ、ゴソといった何かに当たらない場所を探す。
これがセンター出しで、あたっているのはボイスコイルとボビンの
あいだにある隙間(ギャップ)のカベである。
これを怠ると異音の発生原因やボイスコイルの断線で音が出なくなるなどろくなことが無い。充分に調整する。そういえばファンテックの水性ボンド、時間的な余裕が結構あり、作業がラクだった。DBボンドは速乾なのでこうはいかない。

センター出しが終わったら1日程度は乾燥させ、ガスケットを元に戻して完了。
4343でここまでくるのにガスケットはがしで4時間(!?)エッジの張替えは2時間も掛かっていない。

あとは実際に取り付けて動作確認とエージングを行う。
予断だが広い部屋と丈夫な床があると、セッティングが出てない場合でもかなり聴けるのがうらやましい。
ヤマハグランドC7の並ぶ中で鎮座している4343は妙に小さく見えるのだけれど。