パリはわれらのもの | Untitled

パリはわれらのもの(’58)フランス国旗

監督:ジャック・リヴェット

 

 

亡くなったから・・・・陽の目を見るというのも、ちょっと複雑ですよね。

’16年1月に逝去したジャック・リヴェット、幻の長編第1作。

 

ゴダールも今のうちにたくさん褒めといた方がいいかな(早々に殺すなよ)

 

 

パリに来た女学生アンヌ(ベティ・シュナイダー)は

シェイクスピア「ペリクリーズ」を上演しようとする

野心的だが資金に乏しい演劇グループに参加する。

そこでアンヌは若いボヘミアンたちの周囲に見え隠れする

謎の組織による陰謀にやがて巻き込まれていくことになる。

この街の隠されたもう一つの顔・・・・

だが、それは実在する組織なのだろうか・・・・。

 

 

一癖も二癖もあり、一筋縄ではいかないジャック・リヴェット。

ただ、『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(3時間12分)

『美しき諍い女』(3時間58分)に比べれば、2時間20分なんて

全然、余裕っしょ・・・・・と、北海道弁まるだしで臨んだものの

ああぁ、takacyは舟を漕ぐzzz(笑) 危うくオチそうになった。。。

 

終始、掴みどころのない展開で、観る側は忍耐を求められる。

そういう掴みどころがなく、モヤモヤしたところが

ある意味、この映画の良さなのかもしれない。

 

“ヌーヴェル・ヴァーグ”特有の“みずみずしさ”というより

リヴェット作品でよく見られる”演劇”と“陰謀”を主軸に

’50年代後半の若者たちの焦燥感といったものは強く感じられた。


※単独の予告トレーラーがなかったけど、ヌーヴェル・ヴァーグの名作の数々が!

 

終盤にかけて、少し動きが出てきてノワール的な展開になり

ちょっと身を乗り出したのですが、最初のうちはパッとしなかった

ヒロインのアンヌ(ベティ・シュナイダー)が終盤になると

不思議なもんで、とっても魅力的になってくるんです。

 

早朝のパリの街を駆けるアンヌの姿を映し出すのですが

ルネ・クレール『眠るパリ』を思わすような光景で

そこは、パリであってパリでないようで

凱旋門も何だか異質の建造物に見えてきて・・・・

 

「パリは誰のものでもない」という詩人の言葉をもじった

「パリはわれらのもの」という、焦燥感の中にも

未来志向の意味合いが込められたもの・・・・なのかな?(自信持て~)

 

リヴェット本人をはじめ、クロード・シャブロルジャック・ドゥミ

といった、ヌーヴェル・ヴァーグの仲間たちがカメオ出演してますが

J=R・ゴダールはカフェにふんぞり返って、デカい態度で出てました(笑)

 

 

 

 

名匠ジャック・リヴェット、幻の長編作。

とらえどころのない、メトロポリス、パリ。

ヌーヴェルヴァーグの才能が結集した意欲作!