カストラート | Untitled

 

カストラート(’94)イタリア国旗ベルギーフランス国旗

監督:アンドレ・コルビオ

 

 

ヘンデル 歌劇「リナルド」のアリア「私を泣かせてください」

 

知っていた曲だったけど、改めて、私も泣かせてください汗

と、お願いしたくなるほど、惚れ込んでしまい・・・・

 

You Tube で、「オペラを学ぼう」にアップする動画を探していたら

この映画の、クライマックス・シーンに行き当たり

 

DVD、いや、Blu-Ray 即、買いっ!!

(HDニューマスター&リニアPCMエディションもご用意してますけど・・・)

PCMだか何だか知らんけど、それ、いっとこ~(笑)

 

 

18世紀のヨーロッパ。

カルロ・ブロスキ(ステファノ・ディオニジ)は10歳の時に去勢された。

兄のリカルド(エンリコ・ロ・ヴェルソ)が弟カルロの才能に惚れ込み

兄が曲を書いて弟カルロが歌うという関係が続いていた。

英国宮廷の作曲家ヘンデル(ジェローン・クラッペ)は

ナポリの街頭で歌うカルロの声を聴いて驚嘆し、ロンドンに来るよう誘う。

だが兄も一緒にという申し出は聞き入れられず

兄リカルドは弟に契約を結ばせなかった。

その後、“ファリネッリ”と名乗ったカルロはあらゆる場所で歌い

その超絶的な声の魅力は女たちを熱狂的させた。

 

 

オペラ用語 「カストラート」

=ボーイ・ソプラノを維持するため少年期に去勢し

男性ホルモンの分泌を抑制し、声変わりをなくした男性歌手。

 

カストラートの中でも類まれなる美声を発していた伝説の歌手が

“ファリネッリ”ことカルロ・ブロスキ。 彼の美声を聴いた観衆の中には

失神する女性もいて、世の女性たちは禁断の声の虜となってしまう。

 

去勢されたといっても、彼の場合、性行為は可能で、しかも

孕ます心配もないという、彼の声に魅せられた女性たちは

願ったり叶ったりの愛欲の対象となっていくんです。

 

何をどう去勢したのか? おおよそ察しがつくかと思いますけれど

どうしても、という方は・・・・・ご自分で調べてください(丸投げかい、笑)

 

体に手を加えられ、歌うことでしか生きる価値を見出せないカストラート

そんな、定められた運命を背負いながら、奇跡の声に想い託す。


 

私にとっては、このシーンがすべてと言っていいぐらい・・・・

こうやって、ブログを書いていても、ついつい貼り付けた動画を

再生して見入ってしまい、なかなか、筆が進まない(笑)

 

当然、吹き替えの歌声なのですが、現在、カストラートの声を出せる

歌手は存在しないため、女性歌手と男性歌手の歌声を

一音ずつ、サンプリング合成したんだとか。

 

実際の歌声ではないため、オペラ通の方には

どう受け止められるか、微妙なところですが

初心者の私は、フツーに感動してしまいました。

 

で、エルザ・ジルベルスタイン「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲」)が

出ているんですよね。 オペラに興味を持ったおかげで

なかなか出会えなかった彼女の出演作を観ることができて

こういう、めぐり合わせが映画ファンとして、なにより嬉しい。

“ファリネッリ”「私を泣かせてください」聴きながら

感極まってしまう表情が美しいことっポッ

 

この伝記映画がどれだけ忠実に描かれているかは分かりませんが

「リナウド」のアリアを最初に歌ったのは “ファリネッリ” だった。 

ということになるのでしょうか・・・・・・

 

 

スウェーデン映画の 『あこがれ美しく燃え』  でも、この曲が使われていました。

 

 

 

 

18世紀に実在した禁断の声を持ったカストラート。

声を維持するために去勢された彼を取り巻く陰謀や政略、裏切り、苦しみを描く。