イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男-(’08)
監督:パオロ・ソレンティーノ
「ほめられないなら、その人物の話をするな」
ローザ・ アンドレオッティ(ジュリオ・ アンドレオッティの母)
イタリアの首相を7期にわたって務める一方、絶大な権力のもと
多くの犯罪や汚職に手を染めた、戦後イタリアを代表する政治家
ジュリオ・ アンドレオッティの実像に迫った政治ドラマ。
やっぱり、イタリア という国は怖い・・・・・・・・
ちなみに、4人組の甘い歌声 は聴くことはできません(笑)
1970年代からイタリアでは次々と要人が殺された。
78年にはアルド・モーロ元首相が、92年にはファルコーネ判事が死んだ。
1990年代初頭、ローマ。
ジュリオ・ アンドレオッティ(トニ・セルヴィッロ)は告解のため教会に向かう。
さかのぼって1988年、第7期アンドレオッティ政権が誕生し
やがてアンドレオッティは国家元首である共和国大統領の座を目指すが
これまでに多くの殺人に関与したという疑いをかけられ
窮地に立たされるのだったが・・・・・・・・。
「偶然は信じない。神を意志を信じている」
右が本物のジュリオ・ アンドレオッティ。
猫背でコブがついたような背中をして、首が完全に埋もれてしまってる。
トニ・セルヴィッロが彼の特徴を捉えて、泰然自若としているようで
挙動不審にも見える、「魔王ジュリオ」とも称された男を演じている。
映画製作時は、アンドレオッティは存命していて(’13年死去)
彼が犯罪に直接的に関わったような描写はされていない。
そんなことしたら、ソレンティーノ監督も消されていたかもしれない(笑)
数々の裁判で逆転無罪を勝ち取ったり、実刑判決も受けることは
なかったので、“やった”ように描くことは、さすがに出来ませんよね。
この手の“政治ドラマ”にありがちなのが、尋常でない登場人物の多さ。
スタイリッシュなクレジットで登場人物を紹介してくれるのですが
あまりの多さに、あれ?この人誰だっけ? あ、死んじゃったよ(笑)
「人物相関図」必須な映画かもしれません(誰か作って~)
複雑な人物相関の中で、ちょいちょい出てくる “ベルルスコーニ”
という名が妙にリアルで気持ち悪かったですね。
また、映画の冒頭 “用語解説” を結構長めにクレジットしてる。
今思えば、繰り返し、じっくり読んでおけばよかった。それぐらい複雑。
そうそう、フランス大使夫人役でファニー・アルダンが出ていて
それが縁で 『グレート・ビューティー 追憶のローマ』 でも
カメオ出演していたんですね。
かつて魔王と呼ばれた元イタリア首相ジュリオ・アンドレオッティの半生を描く伝記ドラマ。
確固として永遠に不変な権力に君臨し、多くの犯罪や汚職に手を染めながら決して裁かれることのなかった彼の本質とは?
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