カプチーノはお熱いうちに | Untitled



カプチーノはお熱いうちに(’14)イタリア国旗

監督:フェルザン・オズペテク


間違っても “タイトル借り” など絶対しない邦題ですが(笑)

原題は 「シートベルトをおしめください」 ぜんぜん違~う!

日本であまりリリースされない、イタリア映画の新作ということで観てみましたが

これが、これが~ 泣けて、笑えて、幸せな気持ちにさせてくれる映画でした~☆



南イタリアのレッチェのカフェで働くエレナ(カシア・スムトゥアニク)は

性格も生き方もまったく違うアントニオ(フランチェスコ・アルカ)と

運命的な出会いを果たし、そして2人は恋に落ちる。

13年後、ゲイの親友ファビオ(フィリッポ・シッキターノ)と始めたカフェが成功し

結婚したアントニオとの間には2人の子宝にも恵まれたエレナは

多忙ながらも充実した日々を送っていた。しかし、そんなエレナを襲ったのは

自身が乳がんに冒されているという残酷な現実だった。



観客を泣かすにはもってこいの “病気もの” ですが(笑)

重くなりがちなテーマを、イタリア特有のおおらかさで軽く笑い飛ばしてしまう。

もちろん、周囲の愛情に包まれながら病気と向き合う姿にも涙を誘われます。

ただ、観客の涙を人質に取らないところが、この映画の良いところ。

ずし~~ん、となったところで、そこで笑いを入れるかっていうノリなんです。

エレナの周りの人たちは、ちょっとクセのある人たちばかりで

エレナの親友は、キャメロン・ディアスの劣化版みたいな、させ子だったり

抗がん剤の副作用で髪の毛が抜け落ちたエレナに、旦那の浮気相手の美容師が

色んな種類のウィッグを作ってあげたりして。 ものすごい大きな人間愛(笑)

エレナの乳がんが、どのぐらいの進行具合なのか、ステージはどこなのか?

末期で手がつけられないのか? 映画の中では、はっきりと明示されません。

そんなことは、どうでもよくって、大切なのは今、エレナは生きているということ。



この映画が少し変わっているのは、13年の年月をぴょ~んと一瞬で飛んでしまう。

エレナはいつの間にかアントニオと結婚して子供までいる。

エレナとファビオが起業したカフェも13周年パーティーが盛大に開かれて

エレナは心なしかシュッとして、洗練された女性になっているんです。

このとき、すでに病魔が彼女の体をむしばんでいたのですが・・・・

旦那のアントニオは中年太りして、なかなかのビールっ腹に

なんでも、13年の時の流れをリアルに演出するために撮影を1か月中断して

エレナ役のカシア・スムトゥアニクは、8キロ減量して

旦那役のフランチェスコ・アルカは、逆に13キロ増量したんだそう。

彼らの容姿の変化も見物ですが、ぴょ~んと飛ばした13年が

最後になって効いてくるんです。 時空が交錯して、デジャヴのような感覚にもなり

車とバイクがすれ違うシーンなんか、あっ!って言った瞬間に思わず涙が。。。。。




友だち、家族、そして、あなた。愛し愛されて、わたしは今、生きている。
人生の乱気流に遭遇したとき、そばにいてくれる人は誰ですか?
南イタリアの美しい街、レッチェ。恋も仕事も手に入れたヒロイン エレナを病魔が襲う…。
カプチーノはお熱いうちに [DVD]/カシア・アナ・スムトゥニアク,フランチェスコ・アルカ,フィリッポ・シッキターノ

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