マンハッタンの二人の男 | Untitled



マンハッタンの二人の男(’58)フランス国旗


監督:ジャン=ピエール・メルヴィル


“ヌーヴェル・ヴァーグ前夜” の、濃くよどむ闇・・・・・

二人の男の友情と決裂、スタイリッシュかつ気だるいモノクローム。

またひとつ、フィルム・ノワールの傑作を見つけた気がします。



ニューヨークの国連本会議にフランスのベルティエ首席代表が

欠席していることに不審を抱いたフランス通信社は、

その調査をモロー(ジャン・ピエール・メルヴィル)に依頼し

彼はジャーナリストにも評判の悪い情報通のキャメラマン

デルマス(ピエール・グラッセ)を協力者に選んだ。

彼らが、ベルティエと一緒に写真に写っている女たちを訪ね歩くうち

ある事件を伝えるニュースを耳にする・・・・・。



夜のニューヨークの街をゲリラ的にロケーション撮影された

フランス人ジャン=ピエール・メルヴィルによるアメリカB級犯罪映画。

これを観たジャン=リュック・ゴダールは 『勝手にしやがれ』 で

あの伝説の、パリ街頭一大ロケーションを行ったと言われています。

夜の深みにピッタリなモダン・ジャズを展開した

音楽のマルシャル・ソラルもゴダールは起用し

さらに、メルヴィル本人まで出演さすほどの入れ込みよう。



劇中歌「マンハッタン・ストリート」を歌うグレンダ・リー

カメラがゆっくりと移動し、歌声の主へと近づいていく。 超COOL!

謎を追い求め “マンハッタンの二人の男” が、歌手、女優、踊り子、娼婦と

さまざまな美女を訪ね歩くんですけど、どの美女も魅惑的。

スタジオ・システムを否定し、低予算、自主製作、オールロケといった

ヌーヴェル・ヴァーグの源流を作ったジャン=ピエール・メルヴィル。

晩年は娯楽映画に走り “アラン・ドロンのお抱え監督” なんて揶揄されて

メルヴィル崇拝者から、そっぽを向けられてしまいましたが(笑)




フレンチ・ノワールの名匠ジャン=ピエール・メルヴィルが切り取った大都市の一夜。
NYが一番NYらしかった’50年代末の風景が、モダン・ジャズの調べに乗せて走馬燈のように流れていく。
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