噂の女(’54)
監督:溝口健二
京の色街島原を舞台に、白粉や女の汗、涙が匂い立つ作品です。
京都島原で置屋を女手ひとつで営む女将・初子(田中絹代)
一人娘で、東京の音大に通っていた雪子(久我美子)が
失恋から自殺未遂を起こし、初子は京都に娘を連れて帰ってくる。
初子には若い医師の愛人(七代目大谷友右衛門)がいて
その医師に雪子の診察を頼んだのだが・・・・
「あなただって見ているでしょう。男の馬鹿さ加減を・・・・」
島原に身を置かなければならなかった女性の悲哀
強い女将に見えて、実は男の前ではメロメロな母
母の仕事を卑下する現代的な娘
それでも、切っても切れない親子の関係
2人の対比が作品の色合いを際立たせていました。
女郎のひとりがこう言います。
「あてらみたいなもん、いつになったら、ないようになんのやろ
後から後から、なんぼでも出来てくんねんなあ・・・」
きらびやかに着飾っても、どこか哀しげな女のたたずまいでした。
溝口健二監督作品
島原を舞台に、置屋を女手ひとつで切り盛りする母と、母の商売のせいで婚約を破棄され自殺に追い込まれた娘の葛藤を描く。
溝口健二 大映作品集Vol.1 1951-1954 [DVD]/田中絹代,乙羽信子,堀雄二
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