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Pyrus Baseballでは、どんな学びを子どもたちに届けるべきか、日々議論を重ねています。野球指導に対するPyrusの考えを少しでも知ってもらうために、その議論の様子をブログに載せていきます。第1回のオンライン会議では、指導方針の根幹にある「心・技・体」について話し合いました。前編に続き、後編では「技」と「体」に対する議論の様子をお届けします。
【話者紹介】
小林巧汰(こばやし・こうた)
1993年生まれ。小学2年から野球を始め、高校まで日本でプレー。大学は米Benedictine College 野球部に所属しつつ、ファイナンス学部を首席で卒業。その間、ドミニカ共和国で学生野球のコーチを務める。新卒でみずほ銀行・証券に入行後、株式会社パイラスを設立。
國正光(くにまさ・ひかる)
1991 年生まれ。小学 3 年から社会人まで野球を続け、現在はリクルートの企画営業として従事。同時に、高校生のキャリア教育や体育会学生就活支援など多岐に活動中。
~目指すのは子どもの「好き」に全て対応するアカデミー~
小林 Pyrus(パイラス)では、活動を通じて学んでほしいものとして「心・技・体」という優先順位を置いています。ここからは二番目に優先したい「技」、つまり野球の技術について話し合いましょう。
「技」を二番目に置いた理由はシンプルで、子どもたちも親御さんも、パイラスでの活動を通して野球がうまくなることを求めています。そこでパイラスとしても、野球がうまくなる指導にフォーカスを置きたいです。一般的な野球アカデミーと同様に、「ミート力」「長打力」「走力」「守備力」「送球力」という野球に必要な5ツールの指導にも力を入れます。
國正 その中でも、子どもたちが練習を楽しんでいるツールや、強い関心を持って取り組んでいるツールを積極的に伸ばしていきたいですね。子どもたちそれぞれにとって、バットをボールに当てたり、フライを取ったりと一番好きなプレーがあります。それを同じグラウンドで見ているパイラスの指導者が発見し、子どもたちに必要な能力を考えつつ、練習メニューを提案していきたいです。
その反対に、例えば「日本代表の4番打者を育てるために、バッティングの練習に特化する」といった、目的ありきで1つのツールに偏った指導をすることはしたくありません。
小林 そうですね。一般的な野球アカデミーではバッティングやピッチングなどそれぞれの技術の専門コーチが在籍していて、アカデミーごとに得意な指導分野がある場合が多いです。パイラスはそうではなく、子どもたちが学びたいと思った全てのツールを指導できる、柔軟なアカデミーでありたいと思っています。
國正 僕としては、野球は好きだけど、自分は技術面で上手ではないと思っていたり、少年野球チームに入るのをためらっていたり、そもそも野球を練習する機会に恵まれていなかったりする子どもたちのためのアカデミーでありたいです。
これまで見てきた中で、高校生で野球を辞めてしまう人の中に、強豪校でやりきって「自分はこれ以上レベルの高いプレーはできない」という気持ちを持ってしまう人が一定数はいます。僕はそういう人でも、根拠のない自信を持って野球を続けてほしいと思っていますが、それと同じような気持ちに小学生の時点で陥ってしまうのは悲しいことです。野球が好きで一生懸命練習をしているのに、チームのレギュラーではないだけで、「全く練習をしていない」と周囲から評価を受けてしまうという事態が起きています。そういう周囲の誤った認識が、子どもたちが自信を失うきっかけになってほしくない。
小林 まさにその通りで、世間一般が思っている以上に子どもたちは可能性を秘めています。ですが、子どもたち自身にはそれは分かりません。その可能性を探すために、5ツールのうち子どもたちの興味や関心がある技に一生懸命取り組んでもらいます。挑戦し、修正し、さらにまた挑戦するという繰り返しを経て、楽しみながら技を磨いていって欲しいです。
~「心・技・体」が重なる練習方法を探し続ける~
小林 三番目の優先事項が「体」、つまり運動神経です。もちろん、子ども自身の運動神経能力を上げることが最優先事項だと思いますが、野球の技術には直結しません。なので二番目に「技」、三番目に「体」という優先順位にしたいと思っています。
ただ、三番目だからといって運動神経をないがしろにしているわけではありません。パイラスの指導スタッフとしては、「この練習に取り組むことで、実はこの運動神経を伸ばしています」ということを、親御さんや子どもたちにきちんと説明できるようにしておくことが大前提です。
國正 運動神経の分類としては、スポーツ研究を専門にしている東京農業大学の勝亦陽一准教授の意見を踏襲するのが良いと思います。
また心・技・体の優先順位は、これまで説明してくれた通りの順番で良いですが、その3つの要素が重なり合い、同時に育てられる練習方法があると思っています。そして、子どもごとに要素が重なる練習は違う。その子にとって3つの要素が重なる部分がどこなのかを、指導スタッフが探し続ける努力をしなければいけないと思います。
同時に対外的にも、パイラスのことを「こうした取り組みを大事にしているアカデミーなんだ」と認識してもらえるように訴えかけたいですよね。みんながみんな、僕らの取り組みを支持してくれるなら嬉しいですが、それはきっと難しい。まずは僕らの取り組みを信じてくれる親御さん、そして子どもたちに良い学びの場を提供して、子どもたちを幸せにしたいです。
>第2回に続く
【お問い合わせ】
Phone: 080-9383-5405
E-mail: k.kobayashi@pyrus-academy.com
Website: https://pyrus-academy.com/
Pyrus Baseballは、2019年5月設立の野球アカデミーです。
まだ立ち上がったばかりだからこそ、どんな学びを子どもたちに届けるべきか、日々議論を重ねています。
そうして議論する中で、「僕たちの話し合いの様子を見てくれれば、野球指導に対するPyrusの考えを知ってもらえるかもしれない」という考えが生まれました。そこで、これから議論の様子をブログに載せていきます。少しでも気になった方は、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
第1回のオンライン会議では、Pyrus Baseballの指導の根幹にある「心・技・体」について話し合いました。
前編では、そのうち「心」に対する議論の様子をお届けします。
~話者紹介~
小林巧汰(こばやし・こうた)
1993年生まれ。小学校2年より野球を始め、高校まで日本でプレー。中学3年の時に観たWBC準決勝で本場アメリカの野球に衝撃を受け、大学はアメリカでプレーすることを決意。Benedictine College 野球部に所属し、ファイナンス学部を首席で卒業。その間、ドミニカ共和国で学生野球のコーチを務める。新卒でみずほ銀行・証券に入行。現在は株式会社パイラスを設立。ビジネスの傍ら、野球が好きな子どもたちが野球を通じて可能性を広げていけるような環境づくりに励む。
國正光(くにまさ・ひかる)
1991 年生まれ。同じマンションに住む親友がきっかけで野球に出会い、仲間と目標に向かって切磋琢磨することに魅せられ、小学 3 年から野球を始める。社会人まで野球を続け、現在はリクルートの企画営業として従事しつつ、高校生のキャリア教育や体育会学生就活支援など多岐に活動中)
~好きな野球だからこそ子どもの「自己肯定力」が伸びる~
小林 今日のミーティングでは、Pyrus(パイラス)がどんな野球アカデミーを目指していて、何に優先順位を置いて指導していくか、具体的に言語化して共有したいと思っています。最初に僕が感じているイメージを、いったん説明しますね。
好きな野球を通じて、自分の人生を楽しく生きること。これが、パイラスにおける指導の根底にある考えです。
そんなパイラスの活動を通じて学んでほしいものとして、一番目に「心」、二番目に「技」、三番目に「体」という優先順位を置きました。まず一番目の心ですが、ここに含まれるのは自己肯定力と非認知能力です。
自己肯定力一つをとっても定義は色々ありますが、僕が思う自己肯定力とはこんな感じです。「育てたい力を自分で判断し、自分で練習に挑戦し、その練習を繰り返す。この練習内容を、1〜2週ずつのサイクルで変えていく。一連の過程において得られる結果に、自分自身に満足していく」――。これこそが、パイラスで学んでほしい自己肯定力です。
國正 僕が持っている自己肯定感のイメージを話すと、今までできなかったことができるようになり、そしてそれがチームメイトなどの周囲から認められるというステップを経て得られるものですね。何度もこのステップを重ねていき、その回数が増えれば増えるほど、子どもたちも練習に取り組む\意味を理解してくれると思っています。
これは実社会でも同じことですよね。自分が出来ない分野、もしくは伸ばしたい分野に継続して取り組み、結果を出してこそ社会から認められるようになります。野球で例えると、小さなスイングができるようになり、その次にバットがボールに当たるようになり、そしてボールが外野まで飛ぶようになる、という小さな成功体験を積み重ねるのと同じプロセスです。
このプロセスを重視するという指導方針が、他の野球アカデミーとの差別化要因じゃないでしょうか。試合に勝ったか負けたか、ミスをしたかしていないか、ということは大事ではありません。自分自身に何ができて何ができていないかを自覚してもらって、それを乗り越えていくというプロセスが大事だと、子どもたちに刷り込んでいきたいです。
小林 そうですね。子どもたちがこうなりたいという理想の姿を見つけ、自己肯定感を伸ばしやすいかたちに、パイラスという環境を整えていきたいところです。特にパイラスに集まっているのは、野球が好きな子どもたちです。好きな野球だからこそ、その道筋を見つけやすいはず。そのために、試合に勝つこと以上に、子ども自身が楽しむことを練習の目的にしたいです。
また、野球を楽しんでもらうという意味では、良くも悪くも「悠長に練習する」という意識を大事にしたいですね。
確かに、野球がうまくないと「試合がつまらない」と思ってしまいがちです。ただ、すぐうまくなろうとすると、量や数をこなす練習になってしまう。しかし、野球を楽しいと感じる瞬間は、野球がうまくなった時だけではありません。いろいろな要素を友だちと競い合ったり、新しい練習に取り組んだりと、野球の楽しみ方はさまざまな要素で構成されています。
野球がうまいことは、野球を楽しむための一つの手段でしかありません。「悠長に練習する」と言った理由は、量や数をこなして野球がうまくなることよりも、違う楽しみ方を大事にしたいからです。
「ジャネーの法則」という心理学上の主張によると、子どものほうが大人よりも時間を長く感じていて、例えば同じ1年間でも、10歳の子どもの体感速度は20歳の大人の2分の1ほどの速度になるそうです。その違いを意識して練習に取り組まないといけません。
同じ2時間練習に取り組んでいても、僕らが感じているよりも、子どもたちのほうが長く感じているはずです。ただ反対に、「もう2時間も経ったの?」と子どもに言われることを最大の褒め言葉にしていきたいですね。それは大人と子どもの体感時間に乖離がなく、同じ時間軸で取り組んでいる表れだと思います。
國正 確かに、初めて練習風景を見る親御さんにとっては、すごい悠長にプレーしているように見えるかもしれませんね。ただ、当の子ども本人はめちゃくちゃ楽しんで一つ一つの練習をしているはずです。
小林 ですね。大人目線ではそんなに大した練習をしていないように見えそうですが、子どもたちの心の活動はとても活発なはず。これを考えている時点で、他の野球アカデミーとは違うんじゃないでしょうか。
~育てたい3つの非認知能力「熱意・他者との協同・自信」~
小林 自己肯定力に並ぶもう一つの指導の軸が、非認知能力です。僕としては、愛情などのエモーショナルな要素を育てることを、パイラスの目標にしたいと強く思っています。
國正 僕もそう思います。僕の方で非認知能力を分類するなら、大きく3つあると思います。一つ目が熱意と熱中です。好きな野球に取り組むことを通じて、これが熱中なんだと実感してほしいと思っています。将来、一つの仕事に熱意を持って取り組もうとしている時に、「これは河川敷で野球をやっていた時と一緒の感覚だな」と思い出してほしい。過去に熱中した経験があったかどうかで、仕事への熱中の仕方も大きく変わってくるはずです。
二つ目が、社交性や他者との協同です。今どきの小学生は、隣に座っている友達にもLINEでメッセージを送ると聞きます。そんな会話の方法が、当たり前になっているようです。僕らが子どもだった頃は、一緒に秘密基地をつくるなどの活動を通じて、他者との協同を学びました。そうした経験が全くないまま、子どもたちが実社会に出ていくのは心配です。もちろん、ITツールが導入されれば会話が必要なくなるという議論もありますが、それでも人とのコミュニケーションする機会は大切な要素です。パイラスを社交性や他者との協同を育む場にするのは、大事なことじゃないでしょうか。
三つ目は自信です。「自分はやればできる」という根拠のない自信を育てたいと思っています。僕はリクルートで転職エージェントの仕事に携わっていますが、転職という大事な局面で力を発揮する場合には、小さな自信を振りかざし自分の人生を打開しようという気持ちが大事だと思っています。それを知っているからこそ、パイラスを子どもたちの自信を磨く場にしたいです。
熱意、他社との協同、そして自信。まとめるとこれら3つが、パイラスが目指すべき非認知能力ではないでしょうか。
小林 その3つのうちで自信は、最初に挙げた自己肯定感に通じるものがありますね。パイラスが教える非認知能力としては、「熱意」と「他者との協同」の2つを軸にしていきたいところです。
>後編に続く
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