パリ・オペラ座の内部見学の目的の1つが、3月末まで期間限定開催されていた、ステージ・ジュエリー展。

 

 

 

 

 

 

 

こちらは、オペラやバレエの舞台で使用されるアクセサリー等のステージ・ジュエリーにスポットをあて、劇場に保管されている貴重なコレクションを公開するもの。

 

 

 

 

写真手前は、「眠れる森の美女」(ルドルフ・ヌレエフ)のオーロラ姫の頭飾り。

現在使用されているバージョンの1つ前のデザインで、英国ロイヤル・バレエ「ロミオとジュリエット」でも知られる、ニコラス・ジョージアディスが手がけたもの。

 

奥は、デフィレで使用されるエトワールとプルミエール・ダンスーズのティアラ。

手前右が、ブルーエン・バティストーニが着用したものです。

 

こちらは、バランシンの「水晶宮」のティアラ。

 

 

 

こちらは、「ラ・バヤデール」(ルドルフ・ヌレエフ)より。

奥は、ブロンズ・アイドルの頭飾り、そして手前は第2幕でニキヤが着用する頭飾り。

 

 

ここまでアップにして、ようやく分かるくらい、細かな装飾が施されています。

この細部へのこだわりが、遠目に見ても重厚な舞台を作り上げているのですね。

 

 

こちらは、同じく「ラ・バヤデール」より、ガムザッティの首飾りとブレスレット。

 

 
ソロルを巡っての、女同士の負けられない闘いで、ガムザッティがニキヤを買収しようと試みるも、無様に床に投げ捨てられる、あれです。

 

もう見事としか言いようがありません。

 

 

 

こちらは、「マノン」(ケネス・マクミラン)で使用された首飾り。

 

 

こちらは、「シェヘラザード」初演(1910年)で、イダ・ルビンシュタインが着用した頭飾り。

2022年にアーティゾン美術館で開催された、「パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂」でも展示されました。

 

実際のイダ・ルビンシュタインが着用している写真。これを見ると、「実物が目の前に!」と感動が増します。

 

「カルメン」の世界初演で、タイトル・ロールを演じた、セレスティーヌ・ガリ・マリエの肖像。

彼女が1幕のアリアをビゼーに書き直しさせたことで、有名な「ハバネラ」が生まれたそうです。

 

こちらは、19世紀に「カルメン」で使用された頭飾り。

左2つは、1875年製作、つまり「カルメン」世界初演で使用されたものです!

 

 

こちらは、あのサラ・ベルナールがエドモン・ロスタン作の「遥かなる姫君(La Princesse lointaine)」で着用したジュエリー。

 

ミュシャのポスターでも描かれています。

 

 

ヴェルディの傑作「アイーダ」で使用された首飾りと頭飾り。

 

手前は、シャルル・エドゥアール・ルフェーヴル作曲のオペラ「Djelma」初演(1892年)で使用された頭飾り。

奥は、レオ・ドリーブ作曲のオペラ「ラクメ」で使用されたもの。

 

 

 

 

ワーグナーの「ワルキューレ」で使用された衣装。

 

シャルル・グノーの「ファウスト」初演で使用された手鏡も!

1859年のものです!

「オペラ座の怪人」の原作では、劇中で「ファウスト」が上演されていますが、クリスティーヌが使ったのもこういうものかな…と思いを馳せました。

 

 

 

 

ステージ・ジュエリーですから、もちろん本物のハイ・ジュエリーとは異なりますが、そのデザイン性や細かな装飾の美しさは、まさに芸術品。

 

 

 

 

こうした昔からの伝統を継承し、新たなものを生み出しているからこそ、パリ・オペラ座の美が生まれているのですね。