ローザンヌ国際バレエコンクール2025、ライブ配信でご覧になった方も多いと思います。

 

ファイナルはこちらから。

 

今年は、ファイナル進出者のうち、日本国籍の出場者が最多!

中国や韓国といったアジア勢が多くみられるようになり、凄い時代になったと思わされます。

 

そして出場者がそれぞれスタイルや踊り方を含めて、非常に綺麗ですし、テクニックもキレッキレ。

 

ただ、”アーティスト”や”表現者”かと問われると、「Tiktokで発信中のインフルエンサー」みたいに見えてしまうことがあって…。

これはローザンヌ国際バレエコンクールに限らず、最近の様々なコンクールで思ってしまうことです。

スタイルやテクニックの進化は素晴らしく、クオリティーもプロレベルですが、プラスαの個性が見えづらいというか…。

 

そういえば、上野水香さんとマリアネラ・ヌニェスの対談でも、「いまの時代の人たちって、皆さん上手で綺麗なんですけど、魂が見えてこないこともある。」という話題が出てきていました。 ヌニェス曰く、「テクニックがありながら、魂ごと踊る」のが黄金期のダンサーたちらしいです。

 

 

最近は、有名ダンサーやコンクール受賞者の映像がたくさん見つかるようになり、それを見て勉強していることは伝わります。

それがかえって、「思いっきり自分を見せてやろう!」みたいな10代だからこそのガッツを消して、「正しく踊る」「評価される踊りをする」に偏ってきているのでは…と思う時があります。

 

モヤモヤしていたら、30年前の「ローザンヌ名物 辛口解説」ことクロード・ベッシー女史が、見事に総括コメントを出してくださっていました👏

 

 

 

「クラシック・バレエは芸術で、体操でもスポーツでもありません。」 

 

「失われつつある”芸術的センス”を大切にしたいんです。」 

 

「細かいテクニックは別にして、"ポエジー”を強調するんです。」

 

”ポエジー(詩情)”、的確すぎるワードチョイスで「おおっ」と思いました。

昔のローザンヌ国際バレエコンクール、黄金期のバレエダンサーが見せていたのは、「魂」であり「ポエジー」でした!

 

今年の出場者は、どちらかというと男子が見応えがありましたが、「ポエジー」という点では、こちらのジゼルが素晴らしかったです。

 

 

控えめでありつつ、目線の先、指先の更に先まで漂う詩情が美しく、ロマンティック・バレエの時代のバレリーナの再来のようでした。

ジゼルの物語が浮かび上がって、「彼女がジゼルを踊る理由」がはっきりと見えて、ぜひ全幕を観られる日が来てほしいです!

 

ローザンヌで「ジゼル」といえば、1989年のモニカ・ザモラ(スペイン)を覚えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、今年の山谷優月さんも、新しい「ローザンヌのジゼル」として語り継がれるかもしれません。

 

 

それにしても、「ポエジー」というワード、的確すぎてハマりそうです😅