毎月のように、バレエ放送があって嬉しいオタク(HDD容量はいつもぎりぎり)です。

 

10月7日(月)午前1時25分から、BSプレミアムシアターで、パリ・オペラ座バレエ「ベジャール・プログラム」が放送されます。

(1年前に放送された作品です。)

 

 

映画「ボレロ 永遠の旋律」、ベジャールバレエ来日公演と、ホットな話題が続く、名作「ボレロ」が観られるのが嬉しいですね。

 

 

「ボレロ」

音楽:ラヴェル

振付:モーリス・ベジャール

 

出演:アマンディーヌ・アルビッソン(メロディ)

 

 

1961年の初演以降、ジョルジュ・ドン、パトリック・デュポン、シルヴィ・ギエムといった、数多くの名演を生み出してきた不朽の名作。

元の音楽が、オーケストラやフィギュアスケートでも定番ですから、もう説明することはありません(笑)

 

今回演じるアマンディーヌ・アルビッソンは、ドラマチック・バレエで評価が高いエトワール。

ダンサーによって、全く異なる趣を醸し出す「ボレロ」。

彼女が魅せるメロディにも期待が高まります。

 

 

 

「火の鳥」

音楽:ストラヴィンスキー

振付:モーリス・ベジャール

 

出演:マチュー・ガニオ 、フロリモン・ロリュー

 

 

こちらもオーケストラだけでも有名な、「火の鳥」。

元は、火の鳥の力を借りたイワン王子が、魔王カスチェイを倒し、美しい姫君と結ばれるおとぎ話です。

 

しかし、ベジャールが作り上げたのは、ストラヴィンスキーの曲に含まれる革命的要素を広げた、全く新しい世界観。

体制と闘うパルチザン・グループから登場したリーダー(火の鳥)が、不死鳥によって復活を遂げる様を描き、不屈の闘いを表現しました。

 

初演キャストは、ミカエル・ドナール。白黒映像ですが、色が!色が見えてきます!

 

今回の放送では、世界中のバレエファンから愛された、永遠のエトワール、マチュー・ガニオが主役の火の鳥を披露。

 

火の鳥を踊るマチュー・ガニオの写真、こちらの書籍に掲載されていて、それが私のこの作品との出会い。

(あと、同じく掲載されていた「カリギュラ」も衝撃的でした。)

 

 

 

そして、不死鳥役は、スジェのフロリモン・ロリュー。

 

 

 

 

階級はスジェですが、2005年入団ですから、ベテランといって良いでしょう。

今年のパリ・オペラ座バレエ来日公演では、「マノン」のムッシューG.Mで高い評価を得ていましたし、本国では、「白鳥の湖」のロットバルトや「ジゼル」のヒラリオンといった、表現力も求められる役柄を多く演じています。

 

 

 

「さすらう若者の歌」

音楽:マーラー

出演:オードリック・ベザール 、フロラン・メラック

 

ロマンティックな若者が運命に追い詰められ、傷つきながらも抗う姿を表現した傑作。

 

こちらも、数々の名演を生み出してきた、非常にハードルが高い作品です。

歴代の上演ダンサーが、とにかく凄いのです。

 

 

ルドルフ・ヌレエフのリハーサル風景

 

パトリック・デュポン&ジャン=マリ・ディディエール

 

マニュエル・ルグリ&ローラン・イレール

 

バレエでは珍しい男性同士のデュエットで、赤と青を演じる2人が、対照的であると同時に、どこかひきつけ合う様を描く今作も、ペアでガラッと趣が変わる作品といえます。

 

今回演じるのは、オードリック・ベザールとフロラン・メラック。

 

収録時、ベザールはプルミエール・ダンスーズ、メラックはスジェ(2023年11月、マルティネス芸術監督からプルミエール・ダンスーズ任命)。

どちらもエトワールではありませんが、たしかな実力とオーラをもっています。

 

 

ベザールは、今年6月をもって、パリ・オペラ座バレエを退団。

ですが、このベジャール・プログラムでは、まさかの「ボレロ」デビュー(これが非常に良かったらしい)を果たす等、最後まで目が離せなかった、独特な個性をもったベテラン。

 

 

余談ですが、私、ローラ・エケ&オードリック・ベザールの「白鳥の湖」という、日本ではまず上演されないキャストをパリで観ました😅

 

フロラン・メラックは、2010年に入団し、2019年スジェへ昇格。

 

 

 

別日には、ジェルマン・ルーヴェと交代して、ユーゴ・マルシャンの相手役を務めた他、日本では既に京都バレエ「ロミオとジュリエット」でゲスト出演している、実力者。

 

振付にも興味があるそうで、若手の頃のインタビューで、マルティネスを模範とするエトワールとして挙げていました。

 

 

 

3作品とも、クラシック界の巨匠たちの音楽ですから、バレエファンだけでなく、クラシックファンの方々にもご覧いただきたい作品ばかりです。