前回、ノリと勢いでアップした記事、想定外に沢山の反響をいただきましたので、調子にのってPart2でございます。

 

そして、今回も、実家から発掘した、古き良き時代の写真とともにどうぞ(笑)

 

↓Part1は、こちらから。

 

改めて、どうして自分は、ここまでバレエを愛したのか(バレエに愛されてはいないので、ただの片想い😅)を振り返ってみようという当企画。

 

Part1では、①舞台の上で魔法がかかること ②奥が深いことという2つの理由をご紹介しました。

そして、3つめの理由、それは、舞台が終わっても消えない魔法があることです。

そしてこれこそが私がバレエ鑑賞をやめられない一番の理由かもしれません。

 

↓小学3年生で、連れていってもらった初のパリ。

 アニエス・ルテステュ主演の「パキータ」鑑賞前に。(張り切って早く着きすぎて、ガルニエ宮を貸切状態😂)

 

 

Part1では、バレエの舞台では、目の前で、非日常の世界を表現する一瞬の魔法がかかること、それは同時に、劇場を一歩出れば解けてしまうものであるとお伝えしました。

では、「消えない魔法」とは一体どういうことなのか。

それは、ずばり「思い出」です。

 

なーんだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、私は、バレエ鑑賞のような「経験」が与えてくれる思い出には、大きな意義があると思います。

 

先日、「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」という本を読んでいたのですが、その中で「記憶の配当」という考え方が紹介されていました。

これは、時間やお金をかけて「経験」することは、その一瞬を楽しむためだけではなく、後から思い出す「記憶」も得ること、

そして、思い出の中で、元の経験を追体験することで、副次的な様々な感情を思い出すことができ、その後の人生を豊かなものにしてくれるというアイデアです。

 

もちろん、私は、「記憶の配当」を得ようと思って、バレエ鑑賞を続けていたわけではありません。

でも、これを読んだ時、自分がバレエからもらっていたのは、まさにこれだ!と思いました。

 

 

↓熊川氏の「 ドン・キホーテ」初演ツアー。チラシや雑誌も大切にアルバムへ

 

 

幕が降りてしまえば、目の前で繰り広げられていた夢の世界は終わってしまいます。

どれだけ必死に覚えていようとしても、細かいディテールは、時が経つにつれて、次々とこぼれ落ちていきます。

 

それでも、「美しいものを観た」「よく分からないけれど、心を揺さぶられた」というその感情は、一生涯忘れることができないものだと思います。

そして、プログラムや写真、出待ちをしてもらったサインを繰り返し眺めることで、再びその感動を追体験することができます。

誰かにその日観た公演の感想を話すこともそうだと思います。

(私は、興奮して喋りすぎて、母が「思い出でずっと楽しめる子だよね」と半ば呆れてました😂)

 

 

私にとっては、バレエは心の引き出しを1つ、2つと増やしてくれ、その後の人生を豊かにしてくれるものです。

決して、お金に替えることはできない経験ですが、敢えて言うならば、私のバレエ信託は、利回り良いです(笑)

 

 

↓かけがえのない経験をさせてくれた母と。

 

 

 

もちろん、全ての方にとって、バレエがそのような経験ではないと思います。

それよりも、買い物がしたい、新しいゲームが欲しい、といった別のことにお金を使う方が価値があると思う方もいて当然です。

 

映画「プリティ・ウーマン」で、リチャード・ギア演じるエドワードが、ヴィヴィアンをオペラへ連れていく場面で、こんなセリフがあります。

「People's reactions to opera the first time they see it is very dramatic; they either love it or they hate it. If they love it, they will always love it. If they don't, they may learn to appreciate it, but it will never become part of their soul.(オペラ体験は、最初が肝心だ。好きか、嫌いかだ。好きなら、オペラは一生の友となる。嫌いなら、オペラは君の魂にはならない)」

 

 

 

これはバレエにも通じるものですよね。

ちょっとしたことから、バレエに出会って、一生の友だと思ってもらえる方が少しでも増えてくれますように。

 

 

 

↓今日のおまけ

 パリ・オペラ座の大階段をバー代わりにしたことを、心よりお詫び申し上げます。😅