キエフバレエ学校のインスタグラムの投稿で、キエフバレエ黄金期の名プリマ、タチアナ・タヤキナの訃報が伝えられていました。

 

1951年生まれですので、まだ72歳と比較的若い年齢で亡くなられたことになります。

 

 

1969年にキエフバレエ学校を卒業後、キエフバレエへ入団。

入団直後から、「白鳥の湖」「コッペリア」「眠れる森の美女」といった多くの作品で主役を務め、キエフバレエを代表するバレリーナとなりました。

 

高度なテクニックとリリカルな表現力が持ち味で、特にバレエ団の名舞踏手であったワレリー・コフトゥンとのパートナーシップは素晴らしいものとして知られています。

1970年第5回ヴァルナ国際バレエコンクール3位(同年の1位はエヴァ・エフドキモワ、2位に深川秀夫氏)、1973年モスクワ国際バレエコンクール3位(ナデジダ・パヴロワがグランプリ受賞)といった受賞歴も多数あり、キエフバレエの名を世界へ広めた立役者ともいえます。

 

1970-80年代のキエフバレエ来日公演で幾度も主役を務め、「白鳥の湖」「くるみ割り人形」「森の詩」「ロミオとジュリエット」といった作品で、往年のバレエファンの皆様の中には、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

 

↓母所有のキエフバレエ来日公演プログラム(1980年)より

 

↓こちらは1974年来日公演。小さいですが、右下がタヤキナのオデット。ライサ・ヒリコも名プリマでした。

 

また、バレエ漫画の名作「アラベスク」(山岸凉子さん作)にも登場するため、日本のバレエファンの間では、なじみの深いプリマにも思われます。

 

 

 

 

第一線を退いてからは指導者としても活躍し、越智インターナショナルバレエをはじめ、日本でも度々指導されていました。

 

YouTubeで、黄金期の名演をいくつか観ることができます。

 

恐らく唯一の全幕映像と思われる「ジゼル」。

アルブレヒトは、ワレリー・コフトゥン。

第1幕での可憐な村娘と、第2幕の実体を失った精霊との演じ分けが素晴らしいです。

 

 

 

 

タチアナ・タヤキナとワレリー・コフトゥンのパドドゥ集。

「白鳥の湖」より黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ、「ジゼル」第2幕、「ゼンツァーノの花祭り」、「バヤデルカ(ラ・バヤデール)」が収録されています。

 

 

タチアナ・タヤキナとワレリー・コフトゥンの「グラン・パ・クラシック」。

来日公演でも披露した演目の1つ。

 

 

タチアナ・タヤキナとワレリー・コフトゥンの「ディアナとアクティオンのパ・ド・ドゥ」

特にコーダが圧巻の出来ばえで、今の時代に観ても相当凄いです。

 

 

ワレリー・コフトゥンも、2005年に60歳の若さで病死されてしまったのですよね…。

まだまだ次世代のバレエダンサーを育ててほしかったと惜しまれる、偉大なバレリーナがまた1人この世を去ってしまいました。

 

ご冥福をお祈りいたします。