世界遺産アレーナ・ディ・ヴェローナで華やかに執り行われたミラノ冬季オリンピック閉会式。
バレエファンにとって見逃せなかったのは、イタリアの至宝ロベルト・ボッレによるパフォーマンス。
見逃した方は、こちらの公式映像をどうぞ。
まさかのエアリアルを用いた空中でのパフォーマンス。
当たり前ですが、ボッレにとっても、エアリアルは初の試みとのこと。
そして、彼が身にまとった衣装の制作背景が、こちらの記事で紹介されていました。
今回の閉会式の衣装デザインを担当したのは、ステファノ・チアミッティ(Stefano Ciammitti)。
1989年にボローニャで生まれ、名匠ピエロ・トージ(Piero Tosi)のもとで学んだのち、映画、テレビ、オペラなど幅広いジャンルで衣装を手がけた人物。
彼の代表作の1つ、アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品「Io Capitano」。
今回の閉会式のメイキング映像
ボッレの衣装については、「彼の肉体と限りなく一体化させ、対立するシルエットを生まないことが重要だった」とのこと。
素材にはリサイクル素材や廃棄プラスチックが用いられており、グリーンやピーコックブルーといった鮮やかな色彩が、何層にも重ねられた素材から浮かび上がるデザイン。
また、シリコンの破片は、まるでゴミの上で光る氷の結晶のように配置されたと。
この衣装デザインの根底にあるのは、20世紀イタリアの芸術家アルベルト・ブッリへのオマージュ。
第二次世界大戦後の前衛芸術をけん引した存在の一人で、伝統的な画材ではなく、麻袋を貼り付けたり、木材やプラスチックを燃やしたりして、抽象絵画の表現を追求した芸術家とのこと。
存在の裂け目を“縫合”するかのような彼の作風は、戦争の恐怖、痛み、そして記憶の脆さを象徴する大いなるメタファーとして、五輪の舞台に選ばれたのだそうです。
平和とサステナビリティへのメッセージが詰まった、ロベルト・ボッレによるバレエパフォーマンスは、見る人の心にオリンピックの精神を改めて訴えかける素晴らしいものでした!
さすが、イタリアですね!
