親に対して親愛の情というものがほとんど湧いてこない自分は、
やっぱり何かおかしいのかもしれない。
けれど憎しみとも無縁だ。
親兄弟に対して特別な感情は持ってない。
ところがこの頃やたらと父のことを思い出す。
さては、いよいよお迎えが近いのかと期待するけど、どうなんだろう。
母のことは実際のところどうでもいいのだ。
ただ、父のことは、懐かしさと共に思い出す。
好きだったのだろうと思う。
父は小さい私に面と向かって「お前は要らん子だ」という人だった。
でも家族の誰よりも私と気が合った。
お父さんというより仲の良い気の合う友達だったと思う。
小学校に上がる前から自分の好きなことを色々と私に教えてくれた。
「要らん子」には、実は「男の子だったらなぁ」という思いが込められていたのだろう。
私もなんとなくそのことに気づいていた。
男の子のように振る舞えば父は喜ぶ。
って、単純に思ったけど、それは違う。
もっと複雑な思いだったのだろうけど、当時の私はそこまで気が回らなかった。
さて、
父が私に教えたこと。
まず、ビリヤード。
花札、麻雀よりも前に教えられたことがあったよ。
急に思い出した。
キューの持ち方から、球のどこを狙って打つのか、とか、
台に届きもしないチビの女の子に教えるんだから可笑しい。
玉突きって言ってたな。
そういう場所があった。
玉突き場?
戸畑にいた頃だったと思う。
賭け事が好きだった父はあちこちで遊んでたようだ。
そういう場所に迎えに行くのが決まって私だった。
母は、そういう場所が嫌いだったのだと思う。
どこも煙がもうもうとしてた。
父はヘビースモーカーだった。
次は麻雀。
ふつートランプだよね。




