「翼に日の丸」(上)を読みマスタ(^_^)ゞ | ピョロ口大佐、ぷらり旅・・・って、旅はしてない。

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川又千秋の「翼に日の丸」(上:双戦篇)を読みマスタ(^_^)ゞ
これは、ノベルズ版の「ラバウル烈風空戦録」を加筆再編した
単行本であります。
仮想戦小説の中でも、好きな小説でして、特に大戦中の戦闘機
(コレがメインの話ですが)戦闘描写・開発等等描写が細かく
かといって、荒唐無稽な話に見えない様な、ストーリがとても
好感を持って読んだ記憶があります。「ラバ空」の初刊がでたのは、1988年
と、まだ自分が大学生の頃であります。確か、まだ瀬戸大橋も出来ていないため、
大学に戻るため、高松駅で宇高連絡船を待っていた時に読んでいた記憶があります。
思い出深い小説ですが、某総統のブログにて「双戦(こちらは双胴零戦ですが)」
をみて、また読み返したくなり、ブックオフにて中古本を買いました。
「翼に日の丸」はラバ空の再編した小説ですが、一応、設定としては
ラバ空が未完になっていたため、主人公(ラバ空は、主人公の風間健二が自伝として
戦中記を書き残した形式になっておりますが)の没後、書き残した資料を元に
編集者が改めて再編集し、未完の部分を補完した形にしております。
ま、前置きが長いのですが、とっても好きな小説ですので、小説のあらすじと
その折に出てくる航空機の画像もアップしていきますね。
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一応、ストーリは第二次大戦をベースにした仮想戦記。この上巻(双戦篇)は
まだ、史実とそんなに違いはないです。
ま、真珠湾攻撃の折り布哇沖海戦が起き、米軍の「エンタープライズ」が撃沈
って所が、はっきり分かる違いぐらいです。(後の細かい所も、微妙にあるようですが、よく分かりません(*゜∀゜*))
主人公は、大日本帝国海軍航空隊の搭乗員、風間健児が最初に配属になるは
太平洋戦争勃発前の中国は漢口基地。まだ日中戦争にて国民軍と退治している
大陸。まだ初陣間もない主人公には、当時最新鋭だった零戦(11型かね)は
なかなか廻ってこず、まず搭乗したのが
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九六式艦上戦闘機。国産初の全金属製単発単葉艦上戦闘機です(某宮崎アニメで有名ですが)当時としては、抜群の空戦能力を持っていましたが、非力なため上昇力や速度では、いかんともしがたい所もあります。武装も7.7㎜の豆鉄砲で、戦闘機ならいざ知らず大型機ではなかなか苦労するようでした。
この機で初めての撃墜をするのが国民軍が使用していた
ソ連製エスベー(SB)双発単葉爆撃機
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コレを、先輩のお裾分けで、なんとか初撃墜。
主人公も零戦に搭乗となるのですが・・・・
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大戦中の戦闘機で最も有名な零式艦上戦闘機(俗に言うゼロ戦)こちらは
二一型。栄エンジン搭載でなんとか1000馬力で最大の空戦能力と航続距離を
得るため、徹底した軽量化が施され、確かに20㎜の強武装とで当時最強の
空戦能力を得るも、防弾等搭乗員の保護はほとんど(全く)考慮されず
機体強度も当然犠牲になったため、降下速度に低い。
開戦当初は、その弱点を補ってあまりある超ベテラン搭乗員と対する米軍も
弱点が分からなかったことも有り、圧倒的な優位を維持。
しかし、当然その弱点は徐々に開明されて・・・・は、後年の話ですが。
ただ、降下速度の低さ(300ノットだったけ?以上になると空中分解の
可能性がでる)は、すぐにばれて、米軍は一撃離脱(米軍機は機体強度が高いく
降下速度が高い。これを利用した戦法へ)等の戦法を編み出して次第に苦戦していくんですけどね。ま、それはさておき、
とうとう太平洋戦争勃発。主人公は、台南空に配属(台湾の台南ですわ)され、
南方作戦の初期作戦(フィリピンの米軍航空戦力の殲滅)にかり出されます。
対するフィリピン(クラーク基地)の米軍は陸軍航空隊が主力ですんで
イメージ 5P39エアコブラ(通称カツオブシ)とか(ちなみに、こいつはエンジンが真ん中に
積んでいるミッドシップ的な配置になっておりますな)
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P40ウォーフォークとかと、対戦。激烈な空戦の上、なんとか撃滅していきますな。
ただ、主人公は、初日の空戦で乗機を無くしまして(撃墜ではないですが)
なんとか生き残ったものの、当然搭乗するゼロ戦がなかなか間に合わない。
ある日、邀撃待機中に米軍の反攻でやってきた大型爆撃機
B-17フライングフォートレスへの邀撃戦を、なんとあの非力な九六艦戦で立ち向かいます。
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B-17がこれ。太平洋域での運用よりも、対独戦で、ドイツへの戦略爆撃に
駆り出されたので有名ですね。当時の日本では、とても量産できない重爆撃機。
当然自衛用の機銃等強武装のうえ、防弾・自動消火装置等が十分施されて
ゼロ戦の20㎜弾でも、苦労する大型爆撃機ですが、偶然というか操縦席に
主人公の駆る九六艦戦の7.7㎜豆鉄砲が炸裂。操縦手を失ったB-17は墜落。
まさに大金星を揚げるのでした。
なんとか、フィリピンの米軍航空基地への殲滅戦に目処が立ったおり、マレー半島攻略を進める陸軍および南遣艦隊に、イギリス東洋艦隊が立ちはだかりますわな。
イギリス東洋艦隊は、かの有名な大英海軍最新鋭戦艦「プリンスオブウェールズ」を
主力に戦艦「レパルス」最新鋭空母「インドミタブル」を基軸にした大艦隊。
南遣艦隊の主力戦艦は「金剛」「榛名」。とても最新鋭戦艦あていでは苦戦が
想定される状況。そんな中、一式陸攻・九六陸攻による航空攻撃が計画。
ただ、護衛のいない攻撃機では、敵艦隊を護衛する戦闘機隊によりほとんど
戦果を得られず。このため、長駆護衛できるゼロ戦が攻撃隊の護衛を行った上で
イギリス東洋艦隊への航空攻撃が実施されます。
急遽派遣された主人公らは、このマレー沖海戦に参戦。東洋艦隊の直掩機である
シーハリケーンとかマートレットとかの空戦を繰り広げます。
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あ、これは、ハリケーンですけど(コレの艦上型がシーハリケーン)
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こっちは、マートレット(米軍のF4Fですが、イギリスへ供与されたものです)
当然、当時のベテラン搭乗員の駆るゼロ戦にかなうわけもなく、撃墜されていきます。で、東洋艦隊への果敢な攻撃をした海軍航空隊の攻撃機が
有名な
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一式陸上攻撃機(あくまで、攻撃機ですんで、魚雷も積みます)
長大な航続距離と中型機の割りに搭載能力も高く、当時としては高速の上、軽快な運動性を併せ持つ傑作機であるが、犠牲はやはり防弾性能・・・・(;´Д`)。
ご存じの様に、のちに「ワンショットライター(一式ライター)」って
言われるほどの、防弾装備の不備により、ちょっとした被弾で火を噴くという
欧米機では考えられない防弾装備ではありますが・・・
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こちらが96式陸上攻撃機。こちらも軽快な運動性能があり、魚雷攻撃も出来ます。
このパケ画。海上に見えるのが、たぶん、プリンスオブウェールズとレパルスと思います。(マレー沖海戦Versionの模型らしいですので)
・・・てことで、マレー沖海戦で史上初めて航空機による洋上航行中の戦艦が撃沈されます。(コレより先に、イギリス海軍によるタラント空襲で、イタリア海軍の戦艦リットリオを大破座礁させてますが、あくまであれは停泊中の艦船への攻撃)
こちらは、イギリス海軍の最新鋭戦艦ですから訳がちがう。
(あ、これは史実通りですからね)
で、主人公らは、快進撃をつづける南方作戦にしばらく参戦(サイゴン基地等へ進出)イギリス軍との空戦を続けます。ただ、こちらは当時ですら二線級の戦闘機
F2A
・・・F2Aっていうと、こっちを思い浮かべますかな?
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われらがバイパーゼロ。・・・ではなくて、
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同じくイギリスのライトニングF.2A
・・・でも、とうぜんありませんで(乗っているのが黒人の3人組でもない)
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ブリュースター・バッファロー艦上戦闘機。こちらもアメリカからの供与機。
当のアメリカ海軍が次期主力戦闘機であるF4Fが配備されるまでのつなぎ
的な性能の戦闘機でしたが、イタリア軍相手ではこの程度でも十分という
事で、地中海戦線ではそれなりに、活躍したようです。
ま、そんな敵機に負けるわけもなく、主人公も撃墜数を重ねます。
南方作戦も落ち着いた折、主人公らは、本土帰還の上、新型機の受領を
命じられます。
そうです。「双戦」の搭乗ダス。
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二式双発単座艦上戦闘機「双戦
中島飛行機が、超短期間で開発に成功した・・・って設定の架空機です。
架空機ではありますが、結構しっかりした設定になってまして、
エンジンや搭乗席等等、細かい所はほぼゼロ戦のパーツを流用。
基本的にニコイチにした様な機体。ただ、エンジンが二基の恩恵は大きく
機体強度も上げられるため、速度性能だけで無く降下速度も米軍機に
引けを取らない高速機になっております。その上、ゼロ戦と同じく機動性も
たかく、双発機ならではの機動(片方のエンジン出力を変えてとか)が可能。
機首部にエンジンがないので、武装を集中搭載出来るため、射軸が安定するとか
重武装が可能とか、馬力に余裕があるので大型の無線機が積める様になり
米軍では当たり前ですが、航空機搭載で初めてまともな無線通信が出来る様に
なったとか・・・(零戦は積んでいたが、ほとんど役に立たない・・・このため、
空中では手信号とか機体の動きで意思を伝えていた・・・(;´Д`))
まさに、いいことずくめの双戦ですが、最大のネックが発動機が2個ある事。
当時の貧弱な工業力の日本で1機の戦闘機に発動機が2個は贅沢。発動機2機あれば
2機の戦闘機が出来るがな・・・って事で、この双戦短命に終わるのですが、
それは、まだ先の話。ついでに、最前線の劣悪な整備環境では、2機の発動機を同じ調子に維持整備が非常に困難ってことも大変大きなマイナス要因になっていくんです。
ま、何度も言いますが、それはまだ先の話で、この双戦、最新鋭の戦闘機(初飛行が1941年末ってことで)を受領し、慣熟訓練していた主人公ら。
史実でも1942年4月、劣勢に立たされた米軍の反攻の先駆けして、爆撃機による帝都東京空襲が実施されます。
ご存じ、ドーリットル隊による帝都爆撃作戦。
空母にB-25を積載し日本本土ぎりぎりまで進出。
そこから発艦(B-25であれば、なとか発艦だけはできる)
帝都を空襲後、そのまま中国へ抜け、中国軍の基地へ着陸する作戦ダス)
史実では、日本軍はほとんど邀撃対応ができず東京に空襲を受ける(実際の被害は小さかったものの、軍首脳の衝撃は大きく、この後実施されるMI作戦につながるわけですが・・・)のですが・・・
この小説では、訓練中だった双戦が大活躍!
帝都に来襲したドーリットル隊のB-25ミッチェル。
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(ちなみに、機首の横に女性は描いておりません)
首都に向かった本体は全機撃墜され、米軍の作戦は作戦的には失敗
(一部名古屋等へ向かった別働隊は成功)するも、やはり日本軍首脳への精神的なダメージは大きく、史実通り、残存する米海軍空母の撃滅のため、あの作戦が実行されていくんですな。
ってことで、次巻につづく。
いや~長かった・・・(;´Д`)