今日は夫の泌尿器科受診に付き添った。

半年前あたりから頻尿になり、

間に合わず漏らすこともあったのでみてもらったら

前立腺肥大と診断され、服薬を続けている。

が、今日の受診はそれとは関係なく前立腺がんの疑いについて説明を聞いてきた。

 

会社の健診の血液検査でPSAが基準値より少し高いことが判明。

年末、泌尿器科の月いちの受診でMRIを撮ったら影のようなものがあり、

血液を採取した。

今日はその結果と今後の対応について相談することになっていた。

がんの確定診断には2泊3日の入院で生検を行う必要があること、

医者から「1月中旬にでも検査をしましょう」と言われた、と夫からは聞いていた。

でも、夫は大抵、医者の話を正確に理解していないし、

1月に検査というのは勘違いだろうと思ったのと、

正確な状況を聞いておこうと思って付き添ったのだ。

 

がんの中でも前立腺がんは死亡率が低いことは知っていたので、

「残念だけど、死なないと思うよ」と夫には言ってあった。

最近読んだ養老孟司の「養老先生、病院へ行く」にも
共著者で東大病院の放射線科の医師・中川恵一氏が

「甲状腺がんと前立腺がんは見つけなくてもいいがん」と書いていたから

その部分を読ませた。

 

 

今日の受診では医師から、

「そうは言っても悪性度が高かったり進行の速いがんであれば

治療が必要になる」と言われた。

治療は手術か放射線。

「ただし、すごく緊急度が高いわけではないから、

これだけコロナが急拡大しているさなかに入院して検査することもないでしょう。

3月頃にコロナの状況を見て、あらためて日程を相談しましょう」と提案された。

来週にも入院するつもりでいた夫は、

やはり医師の説明を勝手に勘違いしていたわけだ。

 

ところが、私が

「夫は脳梗塞の再発予防のため血液サラサラの薬を飲んでいるのですが

手術の前には薬を止めることになりますよね」と聞くと、

医師の表情が一気に曇った。

「それは・・・手術以前に生検自体が難しいですね」。

 

脳外科も同じ病院でかかっているので、

そちらの主治医に相談してもらい、2週間後に再度、

その結果を聞きに行くことになった。

今日の医師の見立ては、

「生検のために2週間は薬を止める必要がある。

脳梗塞が再発したら確実に歩けなくなるとまで言われているのであれば、

そのリスクの大きさは、仮に前立腺がんだとしてもそちらのリスクと比較するまでもないでしょう」。

生検は行わず、血液検査やMRIで経過を観察して、

必要と判断したら治療をする方がいいだろうとのことだった。

 

そりゃあそうだよね。

その病院で脳梗塞の急性期治療を終えてリハビリ病院に転院する時、

主治医から

「血液サラサラの薬を飲んでいたら交通事故等、

緊急の外科手術はできないから、くれぐれも怪我には気を付けてください」

と言われた。

検査すらできないんだな。

 

以前の私だったら、

夫が不慮の事故に遭ったらどうしよう、

今回も実は前立腺がんなのに診断が遅れて手遅れになったらどうしようと

心配で辛くて、穏やかではいられなかったと思う。

でも今の私は、「事故に遭っても、がんが手遅れになっても仕方ない。

死ぬ時は死ぬでしょう」と開き直っている。

私への暴力をありがとう、

私と息子があれほど繰り返し説得・懇願しても

リハビリや節制、健康維持に向き合ってくれなくてありがとう、

あなたの健康、あなたとの暮らしへの執着から

私を解放してくれてありがとう・・・ってこと?(笑)

 

病院の帰り、お昼を食べながら言った。

「もしがんだったら意外と早く死ぬかもしれないんだから、

私達に惜しまれるよう、心を入れ替えて生きてみたら?

最後に人のためになることをしたら?」

 

お昼はエスニック料理屋で夫がカレー、

私はフォーを食べた。

 

 

帰宅してから夫が

「前立腺の病気にはお肉や卵がよくないらしいよ。僕、肉食べるのやめるわ」と言った。

出たー!!!

リハビリ病院に入院中、

「左手の麻痺を改善するために手のひらでゴルフボールを転がすといいらしい」

「脳のトレーニングにこういうドリルを勧められたよ」と

次々にリクエストされ、

夫がやる気を出すことを期待してすぐさまそれらを買いに走った私。

そして、手に入っただけで満足してどれもほとんど使わなかった夫。

もうそういう「ちょっと言ってみただけ」に付き合うつもりはない。

「あなたの病気のために作るものや食材を変えるようなことは一切しないから。

変えたいなら自分で料理してね」と言っときました。