部屋の片付け中、文庫本を発見しました。
12~13年前に発売された200ページほどの薄い本です。
今年のNHK大河ドラマは紫式部だそうですね。
今にピッタリの本でした
『源氏物語はなぜ書かれたのか』
角川書店(角川文庫) 平成23年11月 井沢元彦 ¥476+税
現在では絶版です。
4年前、古本屋で税込280円で購入
先ずは、裏表紙の文章を。
源氏物語の謎を解明するという内容です。
源氏物語については国文学者の方々による数々の源氏物語論が発表されているわけですが・・・
それは、あくまで文学作品としての論評という狭い視野のものである。
ゆえに真の姿を表現しきれていない、と著者の井沢元彦氏は考えています。
井沢氏の本を何冊か読んだことがある方は、なんとなく氏の解明手法にピンと来たのではないでしょうか
次に目次をアップします。
目次の中に氏の展開する手法のキーワードがあります
キーワードは「怨霊信仰」
目次内のキーワードは👻怨霊信仰👻です
藤原道長の時代の少し前に、菅原道真の怨霊の凄まじさを経験しているわけです。
怨霊なんてとんでもない・・・というのは現代的発想・外国的発想。
当時の日本人は怨霊を信じていました。
怨霊はきちんと鎮魂しないと、とんでもない祟りをもたらす・・・と。
藤原道長は一族の繁栄、娘たちの幸福を願っていたのでしょう。
藤原一族が長年にわたり追い落としてきた源氏の怨念を上手い形で晴らし怨霊化を防ぐことが必要だったのです。
その必要に応えたのが紫式部の源氏物語でした
これらの事を著者は解りやすく展開しています。
読んでいるとスッキリと納得出来ます。
井沢元彦氏の源氏物語論に興味のある方、この本を格安で見掛けたならお勧めします。
文学者の論文を読むより、格段に面白く刺激的です。