○公開:2022年

○制作:日本

○CV:アヴちゃん、森山未來、柄本佑、津田健二郎 他

○感想:星星星


あらすじ鉛筆


室町時代。


京の都。

猿楽の一座に異形の赤ん坊が生まれた。

家族から疎まれ、犬とともに育った名もない赤ん坊は、後に自ら「犬王」と名乗る。




壇ノ浦。

海に潜り、平家の遺物を拾い集めるイナの友魚と父。

ある日、都からやって来た男たちの依頼で、幼い安徳天皇とともに海に沈んだ三種の神器のひとつ、草薙剣を引き揚げた。

剣を鞘から抜いた瞬間、父は亡くなり、友魚は盲目となった。




琵琶法師となった友魚と犬王は出会い、導かれるように琵琶と舞を交わす。

そこから始まる2人の世界、友情。




感想ニコニコ


上映時、見る機会を逃してた映画。

ちょっとわかりにくい部分があったり、

そこまで音楽にもハマらんかったけど、

それでもよかった!

2人が駆け上がって行く疾走感が爽快!

おもしろかった!




映像が素晴らしかったし、

当時、犬王(実在の猿楽師)の歌と舞に夢中になった人たちの熱狂ぶりも感じられた。




異世界と交流し、友魚と犬王が一つひとつ

拾い集めた平家の物語。

そこから創り上げた2人の世界。




それが2人にとってどれだけ意味のある事であっても、人々の熱狂的な支持を得ていても…。

権力の前では簡単に踏みにじられてしまう虚しさ…。




2人が歌い舞う度に一つひとつ解けていく犬王に掛けられた呪。

最後には美しい顔と肉体を手に入れる。




平家の亡霊たちが成仏していっても、

友魚に掛けられた呪は解けないままやったのは何でかな。




そもそもあの古い面は何やったんやろ?

栄光を得るための見返りとして、

胎児の犬王を差し出した父親の強欲さと執念、

犬王への嫉妬が醜かった。




2人の平家物語が禁じられても、

最期の瞬間まで自分たちの歌と舞を諦めなかった友魚。




仲間の命を守るためにあっさりと権力に従う事を選んだ犬王。

犬王の選択は意外やった。

時の権力者の庇護を得て、犬王は満たされたのか。




そしてラスト。

600年を掛けて友魚を探し続けた犬王。

出会った頃の姿に戻る2人に涙。

何にも縛られず、自由に歌い舞い生きられたこの時が2人にとっては一番楽しく、幸せやったんやね。