電車が3分おきに来ても、常にホームいっぱいの列ができるのは何故なんだろうか。
千葉から東京へ向かう電車は、今日もいっぱいである。
私はいつもの音楽を聴きながら、持参した本を開いて自分の世界に潜り込む。
今日はどんな発見があるのだろうか――
そう思いながら、未だ慣れない東京のど真ん中あたりを歩く。彷徨う。漂う。
*
向いの人とぶつかりそうになるくらい、人の流れがめちゃくちゃで
空が塞がって見えるくらいビルがどれも高くって
目が開けないくらいのネオンがギラギラしていて
雑踏でぼんやり立ち止まることも出来なくて
多分大学時代の自分だったら
まいにち同じような、気が狂いそうな混沌に身を浸しているだけで
疲れを感じていたかもしれない。
一体私はどうやって、いつ変化したのだろう。
いつしかこの巨大な街の一部となって
猛烈なスピードで回るサイクルに身を任せるのも
悪くないなと思い始めている。
*
「何でもあって、何もない街だと」
誰かが言う。
「時間に追われてばかりの日々が嫌だ」
と聞こえてくる。
でもこの道を歩いている一人一人に
何もないわけがないことが、最近よくわかる。
でも時間が飛ぶように過ぎてゆくのは
東京だけじゃないということを、なんとなく知っている。
東京は大きくて、
うねっていて、
輝きながら泣いているような。
だから、自分がここに居ることが常にあいまいで、静かで、孤独で
なんだか水の中を漂っているような
そんな気がしてちょっと心地がよい。
でもずっと漂っているわけにもいかないので、
来年はまたどこか、違うところを見てみたいと思う。想う。
でも、やはり、カメルーンが恋しい。
