消費税増税についての私見 | PygmalionZのブログ

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本日(2011年12月30日)政府税調が消費税を2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げる事を政府税調が了承した旨のニュースが流れた。国会議員定数削減の実施も行う旨も伝えられた。

しかしこんな事で良いのだろうか?

デフレが解消される目処も策もない中、消費税税率の引き上げは景気に悪影響を与える可能性が高い。
前回の消費税率引き上げ時(3->5%)の際は引き上げた年の税収は増えるどころか減っている。これはバブル崩壊後の不景気の最中、税収UPを狙って実施した結果だ。

好景気時の税率UPはそのまま増収となるが、不景気時には逆効果である事は過去の経験で十分予測される。しかも今回は米国も景気低迷中、ヨーロッパは危機的状態。

年金問題も既に100年安心の年金制度など国民の誰も信用しておらず、年金受給年齢に達するまでの60歳以上の雇用確保の制度も未整備。しかもデフレ不況で所得は上がらず、老後の不安と現在の不安と「双子の不安」を抱えたまま。これで消費税を引き上げれば、消費の低迷は火を見るより明らかである。

野田首相は税収を増やす事と消費税を引き上げる事は同じ事と考えているようであるが、それはおそらく何事も官僚任せで自ら情報収集せず自分の頭で考えない野田首相が財務官僚の言うがままに実行しているという構図なのだろう。

忘れもしない野田首相がハワイのAPECに赴く直前の参議院予算委員会でTPPにおける重要項目であるISD条項について佐藤ゆかり議員に質問され、首相が「寡聞にして知らず」と答えたときに私は首相は情報収集すら出来ない「信念ある能無し」だと悟った。如何に野田首相の周囲に優秀な側近がいないかを象徴する出来事である。

私の目には野田首相が準備もなく棚ボタで首相の座を得て、準備部不足で拙速に功を急いでいる様にしか見えない。


また、消費税引き上げについて政府税調の了承は得られたが党内で合意が得られるかもかなり怪しい。
消費税に関する法案をごり押しすれば、さらなる離党者が現れ野田政権どころか民主党崩壊につながりかねない。

私は条件付きで消費税引き上げには賛成だが、今のままでの法案提出には反対である。

政府はデフレ脱却、歳出削減、安心できる社会保障制度の構築と消費税をセットでスキームを検討し、そのスキームとスケジュールを以て国民の理解を得るべきだと考える。

消費税引き上げの強行突破は日本をさらなるデフレの淵に追い込みかねない。
目先のお金だけを追ってはいけない。