天然放射能と人工放射能??? | PygmalionZのブログ

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つい先日、ネットで笑える動画を見た。どこの誰らや分からん(馬鹿に興味は無いので調べていない)が黒板の前で「人工放射能は危険で天然放射能は安全」とか偉そうな感じで訳の分からんことを言っていた。





後学のため、以下に代表的な自然放射性物質と人工放射性物質の2つを比較してそんな馬鹿な話は無いことを解説する。








【カリウム40】


天然に存在する放射性物質カリウム40(K40、天然存在比0.0117%)は、体重60kgの人で約4000Bqが常に体内に在る。


カリウムは細胞活動に必要な電解質の一つでナトリウムとともにナトリウム・カリウム・ポンプにより神経伝達や筋肉の緊張/弛緩に必要な微弱な電位を生じる。








このカリウムは人の場合食物から摂取する。食物が植物の場合、植物は大地からカリウムを得る。この天然のカリウムには地球上の何処でも同じ割合で天然の放射性物質であるK40を含む。








人体にとってこのK40が安全であるのは、いくつか理由があります。


・K40の天然存在比が低く(0.0117%)。


・半減期(約12億年)も長いく発生するβ線の放射線量が少ない。


・人体がK40を代謝により一定期間以上体内に止めない(蓄積しない)。


・進化の過程で生命活動に必要なカリウムに必ず含まれるK40の放射線を一定量までは受け入れる様になった。


などで決してK40が安全な放射性物質だからではない。








【セシウム137】


ウランの核分裂過程で生成される人工の放射性物質セシウム137(Cs137)は、自然界では生成されないため人工の核種とされるが化学的性質はカリウムと似ているため体内に取り込まれるとカリウム同様に細胞に取り込まれ、一定期間体内に留まる。Cs137はK40と比べて危険な理由は以下の通り。


・K40より不安定で半減期(30.1年)も短く、K40と同数のCs137が発生する放射線量は遥かに高い。


・Cs137もベータ崩壊でβ線(電子線)を出すが他にもCs137はγ崩壊も伴いγ線を出す。








【まとめ】


人体にとって放射性物質による危険は人体が浴びる放射線量であり放射性物質が天然か人工かは関係ない。


どっちから放射されようが危険な量に達したら同く危険。


仮にK40を致死量の線量まで濃縮して摂取すれば当然人は死ぬ。


天然放射能のK40の放射線だから安全ということは無い。



同じ重さのCs137がK40より危険性が高いのは事実だが、それは同じ重さあたりのCs137の出す放射線量がK40のそれより多いからに過ぎない。

補足)生物学的半減期はCs137が約100日、K40は約30日でカリウムよりも体内に長く留まる。
この点からもCs137の人体への影響はK40よりも大きいと言える。



第一、原子炉の燃料として使われるウラン235は天然の放射性物質だ。

ウラン235の放射能が安全と言う方は流石に居られまい。