総合型選抜で、毎年9月に起きる悲劇があります。
それは、小論文の失敗ではありません。志望理由書が書けないことでもありません。
「調査書が、間に合わない」です。
出願書類の中には、自分がどれだけ徹夜で頑張っても、1ミリも進まないものがあります。「学校が動かないと出ない書類」です。今日はその話をさせてください。夏休みに入ってからでは、遅いからです。
9月、出願サイトの前で固まる受験生
毎年、出願シーズンになると必ず聞く悲鳴があります。
「志望理由書は書き上げました。小論文の練習もしてきました。……でも、調査書がまだ手元にないんです」
本人は本当に頑張っています。文章もちゃんと仕上げている。それなのに、出願の締切直前になって、封筒に入れるべき書類が1枚足りない。あわてて学校に電話しても、「発行には時間がかかります」と言われてしまう??。
これ、特別にだらしない子の話ではありません。むしろ真面目に「自分の書類」に集中していた子ほど、はまりやすい落とし穴なんです。
出願書類には「2種類」ある
総合型選抜の出願書類は、大きく2つに分けられます。
1つめは、自分で作れる書類。 志望理由書、活動報告書、課題レポートなど。これは自分の努力次第で、直前まで磨けます。
2つめは、学校が動かないと出ない書類。 調査書、推薦書、成績証明書、卒業見込証明書など。これらは先生や学校の事務室にお願いして、作ってもらうものです。
問題は2つめです。こちらは「頼んでから出てくるまでの待ち時間」が存在します。しかも、その長さは学校によってかなり違います。数日で出る学校もあれば、発行までに数週間、場合によっては1ヶ月近くかかる学校もあると聞きます。正確な日数は学校ごとに違うので、これはもう、自分の学校に直接確認するしかありません。
実質締切は「終業式」です
ここで、カレンダーを見てください。
多くの高校では、7月中旬から下旬に終業式があります。つまり、先生に直接会って「お願いします」と言えるのは、今週か来週が最後かもしれないということです。
夏休み中の学校は、想像以上に「止まり」ます。先生は研修や部活の遠征で不在がち。事務室も閉まる日があります。お盆の期間は、ほぼ動きません。
9月に出願するなら、8月中には書類が手元に欲しい。発行に時間がかかるなら、依頼は7月中。……逆算していくと、総合型選抜の実質的な締切は、募集要項に書いてある9月の日付ではなく、目の前の終業式なんです。
学校の外にも「待ち時間のある書類」がある
実は、待ち時間があるのは学校の書類だけではありません。
たとえば英検。「スコアはデジタルで確認できるから大丈夫」と思っていませんか? 大学によっては、紙の合格証明書の原本を求めるところがあります。手元に原本がない場合、証明書の発行を申し込む必要があり、これにも日数がかかります。デジタル証明でOKか、紙の原本が必要かは大学ごとに違うので、志望校の募集要項(昨年度版でも傾向はつかめます)を今すぐ確認してください。
それから、意外な伏兵が証明写真。サイズ、背景の色、「撮影から3ヶ月以内」といった規格が大学ごとに細かく決まっていることがあります。夏休み明けに撮り直し……となると、これも地味に時間を食います。
今週やること:夏前チェックリスト
というわけで、終業式までにやっておきたいことを、チェックリストにまとめました。スマホにスクショして、ひとつずつ潰してみてください。
・志望校(候補も含む)の募集要項で、必要書類を洗い出す
・そのうち「学校に頼むもの」(調査書・推薦書・各種証明書)をリスト化する
・担任の先生に、発行にかかる日数を確認する
・調査書・証明書を正式に依頼する(志望校が未確定でもOK)
・推薦書が必要なら、書いてくださる先生に早めにお願いと事情説明をする
・英検などの資格は「紙の原本が必要か」を大学ごとに確認する
・証明写真の規格(サイズ・背景・撮影時期)を確認する
ここまでの状況を、保護者の方と共有する
全部で30分もかかりません。でもこの30分が、9月のあなたを救います。
総合型選抜は、文章力より先に「締切管理」の勝負
総合型選抜というと、志望理由書や小論文といった「文章の勝負」だと思われがちです。もちろんそれも大事です。
でも、その前に**「書類が揃っている」という土俵に上がれなければ、どんな名文も読んでもらえません。**
文章は直前まで磨けます。書類の待ち時間は、短縮できません。だからこそ、順番はこうです。先に、待ち時間のあるものを動かす。それから、じっくり文章に向き合う。
終業式まで、あと少し。今週、職員室のドアをノックしてください。「調査書をお願いします」??その一言が、あなたの総合型選抜の、本当のスタートです。
この記事のまとめ
総合型選抜で9月に起きる悲劇のワーストは「調査書が間に合わない」
出願書類には「自分で作れるもの」と「学校が動かないと出ないもの」の2種類がある
調査書・推薦書・証明書の発行日数は学校差が大きい(1ヶ月かかる例も)→今すぐ確認
先生に頼める最後のチャンスは終業式=実質締切は9月ではなく終業式
学校の外にも待ち時間あり:英検は「紙の原本」必須の大学がある/証明写真の規格も要確認
志望校が未確定でも調査書の依頼は先にしてOK
順番は「待ち時間のある書類を先に動かす→文章はそれから磨く」
