ポッドキャストを聞いている最中に「今の話、あとで資料に使える!」と膝を打ったものの、家に着くころにはすっかり内容を忘れてしまった──。そんな経験はありませんか? 私たちは日々、音声という形で膨大な情報を浴びています。ところが耳から入った知識は、メモを取らなければ “通り過ぎる風景” として消えていきがちです。そこで登場するのが 「リアルタイム文字起こし × 生成AI」 という新しい学習コンボ。実践すると、音声は一瞬でテキストに変わり、そのテキストはAIの手でスッと整理され、しかもスマホだけで完結します。


1.まずは聞くと同時に文字起こししてしまう

 鍵になるのは UDトークのようなリアルタイム文字起こしアプリです。スマホで録音を始めた瞬間から話し言葉がテキスト化され、そのままクラウドに保存されます。データ容量は驚くほど小さいので「全部録っておいて、あとで要るものだけ拾う」という大胆な戦略がとれるのが強み。昔、テレビ番組を全部録画して “あとから見たい部分だけ再生する” トータルアーカイブという発想がありましたが、あれを音声学習に持ち込んだイメージです。

2.テキストを生成AIに渡して「使える形」へ再調理

 録音しっぱなしでは単なる文字の山。ここで ChatGPT などの生成AIにプロンプトを投げます。
たとえば、

「このテキストから重要ポイントを五つ抽出し、各ポイントを二行で要約せよ」

 と指示すれば、要点だけをきれいに並べ替えてくれる。別のタイミングで、

「行頭に▼が付いた行を抜き出し、700字のブログ草案にまとめて」

 と頼めば、瞬時に“読み物”へ変身します。ポイントは プロンプトをテンプレ化しておく こと。要約・Q&A化・TODO抽出など用途別に定形文をスマホに保存しておけば、移動中でもワンタップで処理が走り、家でPCを開くころにはまとめが完成しています。

 

結論:テキスト化は「保険」、生成AIは「調理人」

 メモを取れないシーンや、あとで紙のノートを開く時間がない日でも、音声をテキストにしておけば “とりあえず材料は確保” できます。そして生成AIが、その材料をサラダにもスープにも仕立ててくれる。忘却の海に沈んでいた知識が、いつでもすくい上げられる状態になるわけです。

 運転中でもランニング中でも、耳から入った情報をすべてストックし、AIに整理させる──これこそ、時間がない現代人にとって 「学びを加速する最短ルート」 ではないでしょうか。今日はぜひ、スマホで音声変換ボタンを押すところから始めてみてください。きっと明日のあなたは、今日取りこぼすはずだった知識で満たされているはずです。