静岡市葵区のイチイガシを訪ねました。静岡市にお住まいの方から情報提供をいただきました。

 
【大原神明神社】
静岡駅北口からバス「藁科線」に乗り、「夜打島」で下車します。
樹高20mくらいのイチイガシが1本あります。藁科川沿いに位置しており、自生の可能性があります。
大原神明神社から徒歩で大原八幡神社に向かいます。
 
【大原八幡神社】
最寄りのバス停は「中蕎科学校入口」です。
イチイガシは2本あり、アラカシ・ツブラジイ・タブノキなども見られます。ここも藁科川沿いに位置しているため、自生の可能性があります。
今回は行きませんでしたが、藁科川流域では水見色大井神社、木枯ノ森にもイチイガシが生育しているそうです。
 
【静岡浅間神社】
ここには2本のイチイガシが生育しています。
1本目は賤機山古墳の崖の部分に生えており、樹高15m・幹径70cmくらいの大木です。
2本目は麓山神社裏手の崖に生えています。賤機山公園の浅間山の植生は、ツブラジイ・アラカシ・クスノキ・タブノキなどの照葉樹林となっています。
どちらのイチイガシも植栽とは考えにくい場所に生えており、自生の可能性があります。
 
【羽高津嶋神社】
ここは2020年に訪ねていて、以下の記事に掲載しています。撮影は午前がお薦めです。
【北浅間神社】
最寄りのバス停は、大浜麻機線の「麻機ヶ丘」です。
イチイガシは本殿左側と裏手に計2本ありました。ここも川沿いに位置しているため、自生の可能性があります。御神木はクスノキで、アラカシ・ツブラジイ・ミミズバイなども見られました。
 
今回訪ねたイチイガシは、どこも小集団でした。イチイガシは、静岡県で広域に出現するアラカシ・ツブラジイに比べると、分布地点・個体数ともに非常に少なく、また二次林には出現しません。これはアラカシ・ツブラジイに比べると萌芽力が劣ることに起因するのではないかと私は思っています。藤枝市・青山八幡宮には優占林がありますが、これは稀な例でしょう。
イチイガシは、ハナガガシのように絶滅危惧種にはなっていませんが、静岡県では各集団が孤立しており、集団サイズも小さいため、アラカシ・ツブラジイに比べると遺伝的多様性が低くなってそうです。
 
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