シリブカガシの北限である保津峡と、金閣寺のイチイガシを訪ねました。
【保津峡のシリブカガシ林】
今回の旅のメインです。保津峡駅から落合橋まで歩きました。
トロッコ保津峡駅から見た桂川。川沿いの急傾斜地や岩場にシリブカガシ・アラカシが優占していました。シリブカガシとアラカシはぱっと見た感じでは区別がつかないほど似ていますが、枝をよく見て花穂がついていればシリブカガシだとわかります。シリブカガシはアラカシと混生することが多いですが、アラカシと同様に遷移の途中相の樹種なのかもしれません。
川沿いの傾斜地に生えるシリブカガシ。コバルトブルーの桂川が映えます。
シリブカガシは萌芽幹になっている個体が多かったです。
シリブカガシ群落は、保津峡が国内で2番目の規模(1ha)で、1位は広島市・二葉山(7.5ha)です。大阪府堺市・美多彌神社、和泉市・聖神社よりも優占度が高いです。
落合橋側はアラカシが優勢ですが、シリブカガシの大木が幾つかありました。樹高10~15mくらいです。シリブカガシは生長が遅いので、この大きさだと相当な年数が経ってそうです。
京都府レッドデータブック2015には記載されていませんが、京都府では宇治市の白山神社、天ケ瀬ダム周辺にもシリブカガシがあるそうです。
【鹿苑寺(金閣寺)のイチイガシ】
ここには何回か来ています。
総門横のイチイガシ。天然記念物に指定されている個体ではありませんが、かなりの大きさです。カエデ類も綺麗に色づいていました。
市指定天然記念物の個体を見上げた様子。イチイガシの葉裏の独特の色合いがたまらなく好きです。
天気は今までで一番の晴天ですが、とにかく人が多い!平日でしたが、紅葉の時期は混雑するようです。
西側から見上げた様子。
イチイガシといえば奈良県・春日大社のイメージが強いですが、金閣寺や下鴨神社にもあるので京都のイメージもあります。奈良盆地・京都盆地の潜在自然植生といわれます。
今まであまり見てこなかったシリブカガシが観察でき、天気にも恵まれて良かったです。