2022年1月8日に訪ねた鹿苑寺(金閣寺)のイチイガシを掲載します。
【下鴨神社(賀茂御祖神社)】
金閣寺を訪ねる前に、下鴨神社・糺の森を訪ねました。
植生はクスノキ・ケヤキ・ムクノキが優占し、エノキ・シラカシ・アラカシ・イチイガシ・ツブラジイ・スダジイ・シリブカガシなどが混生しています。クスノキは1934年の室戸台風後に植栽されたものです。原生林とも呼ばれますが、クスノキが多い点が人工的な印象です。イチイガシは若木が多く、この場所の極相と思われます。シリブカガシは献木だと思います。
【鹿苑寺(金閣寺)のイチイガシ】
境内には2本のイチイガシの巨樹があります。中学の修学旅行で来た時も、このイチイガシの存在に気づいた記憶があります。
総門横のイチイガシ。この写真は東向きに撮影しているため、午前だと逆光になります。
参拝受付側にある天然記念物の個体。上部と南側半分の枝は損失しています。
南向きに撮ると逆光になるので撮影が難しいです。天然記念物の個体は朝が撮影に向いているかもしれません。
参拝受付側から撮影した様子。金閣寺ホームページでは「櫟樫」と表記されています。
イチイガシは神社には多いですが、寺院にある例は珍しいです。現在の境内が再建・整備された江戸時代初期に植えられたか、自然植生の残存木と考えられています。
京都市ホームページによると樹高19.5m、胸高幹周4.93mです。
金閣寺。庭園も綺麗でした。参道や庭園にはツブラジイもありましたが、ツブラジイは中学の頃は気づきませんでした。
イチイガシは京都府では少なく、他には京都市・半木神社(京都府立植物園内)、綾部市・笠原神社などに自生と思われる場所があります。下鴨神社も含め、これらの神社は何れも河川沿いに位置しています。
京都市では上賀茂神社、平野神社、大覚寺・五社明神、隨心院にも大木があるそうです。