特許翻訳をしていると、未知の技術に日々遭遇します。今ではインターネットがあるので、グーグルで検索すれは、それらしき答えがたくさん出てきます。
そういう意味では、専門知識のない方が特許翻訳に新規参入する際の障壁は、確実に低くなっていると思います。
こう言うと、「インターネットの情報は信頼できますか」と聞かれることがあります。
私の考えは、端的に言うと「この世の中に100%信頼できる情報など存在しない」です。
情報が信頼できるかどうかを判断するのは「私」なのです。もしインターネットを使って調べた結果、間違った訳語を選択してしまったとしても、それは「私」のせいであって、インターネットのせいではありません。
以上のことを断った上で、私の場合を言うと、経験的に又は感覚的に「使える」と思っているので、積極的にネット情報を活用しています。
もし私が、この個人的な「経験/感覚」を擁護しようとするならば、以下のような議論を展開すると思います。
少なくともサイエンス分野の研究者の間では、「インターネット情報」に肯定的な意見が主流になっています。
ご存知だと思いますが、ネット上には「ウキペディア」という膨大な百科事典サイトがあります。誰でも書き込んだり、訂正したり、削除したりすることができるため、その信頼性・正確性は、常に疑問視されてきました。
2005年に、ある研究者が、その「ウキペディア」のサイエンス分野に関する信頼性を統計学的に調査し、「十分信頼に値する」ことを示唆する論文を発表しています。
サイエンス分野で最高峰とされている学術論文誌に「Nature」という雑誌があります。科学者であれば、一生に一度はこの論文誌に自分の研究論文を掲載したいと思っているでしょう。
この論文誌に以下の研究レポートが掲載され、それをきっかけにして、サイエンス分野でのインターネット情報の正確性についての論争が起こりました。
タイトル「Internet encyclopaedias go head to head」
著者名 Jim Giles
Nature、438巻、900-901頁、2005年
このレポートでは、「ウキペディア」の科学分野の正確性は、「ブリタニカ百科事典」と比べて遜色がなかった、という結論が導き出されています。もちろんブリタニカ側はこれに対して猛反論し、論争となりました。詳しくは「Nature」のウエブページで上記のレポートを検索すると出てきます(英語ですが)。
また、2010年には同じく「Nature」に「もういい加減にウキペディアを認めなさいよ」という趣旨のコメントが発表されています。
タイトル 「Time to underpin Wikipedia wisdom」
著者名 Alex Bateman1 & Darren W. Logan1
Nature、468巻、765頁、2010年
大きな図書館ならば「Nature」を置いていると思いますので、「理論武装」用にどうぞ(屁理屈と言わないでください)。
最後になりましたが、「インターネットリテラシー」「ネットリテラシー」というキーワードで検索すると、ネット情報との付き合い方についてのヒントが得られるかもしれません(というか、これが一番役に立つと思います)。
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