微かに甘いフローラルな香り

顔を上げるまでもなく誰だかわかる

「おはよう」

今日も君が朗らかに挨拶をくれた

 

 

どくどくと派手にビートを刻み始める心臓の音

「ああ、おはよう」

何気ない風に顔を上げて挨拶を返す

君の隣の席を引き当てた黄金の右手に今日も感謝を

 

 

窓から春の終わりの風が入ってきた

「気持ちいいねぇ」

君の肩の処で揃えた艶やかな黒髪がさらりと揺れて

その赤い唇が開くと風よりもずっと心地よく言葉を響かせた

 

 

僕の隣に君がいる麗らかな春の日

この素晴らしい世界に祝福を