十三番目の人格 -ISOLA- | タイリのブログ

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人生における"遊び"の参考に少し立ち寄ってみてください。


ネタバレ注意。
本書感想を殴り書きしました。






【まずはリスペクト】

貴志さんは、これ書くためにどんだけ知識を蓄えたんだろう…それとも元々博学なのか、一先ずは作者のそんなところに尊敬。
文学家達は皆本当に知識と表現力が豊かすぎるんだ。

さてさて、内容に関してであるが
やはり貴志祐介さん作品は読みやすい。
優しく展開するので、かなりハイペースでスラスラ読める!



【良かったところ】

①過去読んだダークゾーンと比べると、、、


SFとはいえ、メインテーマが多重人格(後半は憑依)となっていた為イメージしやすかった印象。


展開と作風は似てる(書き味的な)もののテーマがかけ離れてるので、そう言った意味でも「すげ、全然テーマ違うじゃん!」と感心できて楽しい。

というのも、前読んだ作品はファンタジー要素が強いのである。




②ラストの展開


前半と後半での恐怖の差異があって恐怖の演出をお得に楽しめた感がある。

特にクライマックスシーンはテンポが良くて、かなり良き。前半は概念としての恐怖から、最終的に造形や設定のディテールが見えてくる。

本部さんの恐怖シーンがお気に入り。


素数を数えるんだけど、あれは完全に神父なのよ。






→これも元ネタはスティーブン・キングらしい




【思った事】


①表現のこと


抽象的表現のみで理解できる点に関して、その直後に具体的描写で補足するシーンが少々。

その一文ない方が、文学的でかっこいいのになぁと思う反面で、本をあまり読まない人や感性が足りない人にとっては、そう言った補足が理解につながってより楽しめるのも事実だなとも思った。これはバランスが難しい。


クリエイティブ活動をするにあたって、ぶち当たる壁なので、この匙加減がかなり難しい。
手法的な側面でそんな事を感じてしまった。


②内容のこと

主人公の設定がまずおもろい。初期設定が良いからそれに付随して展開も自然と面白い!
思考を読まれる、つまりは能力があるからこそ悩める葛藤の描写がいい。

ドキドキ場面が後半につれて多くなるのも個人的に良かったかなと。非現実的要素でも人間の弱く脆い描写とその心情を物語全体を通して、共感性の高い表現をされていた。

あとはなんだ…主人公に関しては、なんか可哀想が強い。終わり方に関しては結局ハッピーエンドではないので、ちょっとスッキリしない感じはある 笑





【最後に一言】

この本!読みやすい!!
(重複)