細かい条件が書いてあった検証を元に前の記事の説に則り、計算をしてみると
割と計算通りに落ち着くことから、実際のパターンを元にしたシミュレートを行います。
【Debuff補正まとめ】
・キャラクタは各種Debuffの系統に対応した攻撃値、耐性値を持つ。(基本的には初期値0)
・アクセサリー、Buffなどによる攻撃、耐性増加は、それぞれ攻撃値、耐性値に加算される。
・複数、同系統の効果がある場合、乗算され、それぞれ攻撃値、耐性値に加算される。
・攻撃値、耐性値は「%」表記の有無に関係なく乗算される。
・Debuffのダメージ/成功率への影響は、攻撃側の攻撃値と、防御側の耐性値との差によって決定される。
・最終的に決定されるDebuffのダメージ/成功率への影響は下限が存在し、それは95%付近である。(上限は未確認)
【攻撃値、耐性値の計算方法】
例1:ザケン耳(精神/ショック20%)、勇士耳(精神/ショック20%)を装備した場合、
1.2*1.2=1.44
この小数部分から、攻撃値は44となる。耐性値も同様である。即ち、
攻撃値、耐性値=(効果1*効果2・・・*効果n - 1 ) * 100
で表すことができる。
例2:ザケン耳(精神/ショック20%)、勇士耳(精神/ショック20%)、マジェスティック防具セット(ショック耐性50%増加)、レジストショック(ショック耐性40増加)を装備した場合、
耐性値=(1.2*1.2*1.5*1.4 - 1 ) * 100 =202.4
となる。
【Debuffのダメージ/成功率への影響の計算方法】
・攻撃値と耐性値の差を特性差とし、以下のように求める。
特性差=攻撃値-耐性値
例1:攻撃値50、耐性値80のとき、攻撃側が成功率80%のDebuffを行うとする。
特性差=50-80=-30となる。
このとき、攻撃側のDebuffの成功率は0.8*0.7=0.56より、56%となる。よって、
Debuff補正= {(100 + 特性差 )/100} ;Debuff補正≧0.05
で表すことができる。
例2:攻撃値30、耐性値100のとき、攻撃側が成功率80%のDebuffを行うとする。
特性差=30-100=-70なので、
Debuff補正= {(100 -70 )/100}=0.3 ;Debuff補正≧0.05
Debuffの成功率は0.8*0.3=0.24より、24%となる。
例3:攻撃値90、耐性値200のとき、攻撃側が成功率90%のDebuffを行うとする。
特性差=90-200=-110なので、
Debuff補正= {(100 -110 )/100}=-0.1 ;Debuff補正≧0.05
Debuff補正の下限は0.05なので、この場合はDebuff補正=0.05となる。
Debuffの成功率は0.9*0.05=0.045より、4.5%となる。
【実際の装備に即したシミュレート】
[勇士耳とアンタラス耳との差]
・勇士耳とアンタラス耳の差でよく比較されやすいのはショック/精神効果の10%の差である。この10%がどのくらい影響を与えるか各種シミュレートを行う。
Case1-1:勇士耳/ザケン耳/デスティノ重を装備した防御側に、勇士耳/ザケン耳/フリン首を装備した攻撃側が、80%の成功率のスタンを行う。
攻撃側:1.2*1.2*1.15=1.656より攻撃値65.6
防御側:1.2*1.2*1.5=2.16より耐性値116
特性差=65.6-116=-50.4
Debuff成功率=0.8*0.496=39.68%
なんと、デスティノ+勇士耳+ザケン耳という割とありふれた装備でも3回に1回はスタンをもらってしまいます。
次は攻撃側が勇士耳ではなくアンタラス耳を装備した状態でシミレートします。
Case1-2:勇士耳/ザケン耳/デスティノ重を装備した防御側に、アンタラス耳/ザケン耳/フリン首を装備した攻撃側が、80%の成功率のスタンを行う。
攻撃側:1.2*1.3*1.15=1.794より攻撃値79.4
防御側:1.2*1.2*1.5=2.16より耐性値116
特性差=79.4-116=-36.6
Debuff成功率=0.8*0.634=50.72%
アンタラス耳にするだけで2回に1回はスタンを食らうようになってしまいます。
効果の近い勇士耳とアンタラス耳ですが、やはりアンタラス耳の効果は唯一無二の効果と言ってよいでしょう。
[フリン首の有無]
・では防御側にフリン首を追加したシミュレートを行ないます。
Case2:勇士耳/ザケン耳/フリン首/デスティノ重を装備した防御側に、アンタラス耳/ザケン耳/フリン首を装備した攻撃側が、80%の成功率のスタンを行う。
攻撃側:1.2*1.3*1.15=1.794より攻撃値79.4
防御側:1.2*1.2**1.15*1.5=2.484より耐性値148.4
特性差=79.4-148.4=-69.0
Debuff成功率=0.8*0.31=24.8%
フリン首ひとつで2回に1回食らっていたとされるスタン攻撃が、4回に1回食らう程度まで減りました。
[レジストトレイトの底力]
・さらに防御側はレジストトレイトを習得したとしましょう。
Case3:勇士耳/ザケン耳/フリン首/デスティノ重を装備し、レジストトレイトを習得した防御側に、アンタラス耳/ザケン耳/フリン首を装備した攻撃側が、80%の成功率のスタンを行う。
攻撃側:1.2*1.3*1.15=1.794より攻撃値79.4
防御側:1.2*1.2*1.15*1.5*1.05=2.6082より耐性値160.82
特性差=79.4-160.82=-81.42
Debuff成功率=0.8*0.1858=14.864%
レジストトレイトにより成功率は7回に1回食らうまでに減りました。まさに耐性の一押しとしては効果のあるレジストトレイトと言えます。
現状、アンタラス耳の入手が超困難である以上、後発組はそれ以外の装備で耐性を補うしかありません。
トグルスキルのSEも有効に活用すれば、高額アイテムを補う効果も持ち合わせています。
逆にこのようなスキルが一切ないローグクラスは、補正がままならない場合は、Debuffによって蹂躙されるでしょう。
[高級装備のポテンシャル]
・次はレジストトレイトが勿体無いので、高級装備で補った場合です。
Case4:勇士耳/ザケン耳/フリン首/デスティノ重(高級3部位)防御側に、アンタラス耳/ザケン耳/フリン首を装備した攻撃側が、80%の成功率のスタンを行う。
攻撃側:1.2*1.3*1.15=1.794より攻撃値79.4
防御側:1.2*1.2*1.15*1.5*1.05*1.05*1.05=2.8755より耐性値187.55
特性差=79.4-187.55=-108.15
Debuff成功率=0.8*0.05=4%
手足頭の高級デスティノを揃えることにより、現状MAX補正に近いスタン攻撃ですら1/25回にまで減らせることができます。高級装備の威力はものすごいですね。
2部位だけでも補正の下限に到達するので、非常に効果があるでしょう。
マジェ高級セットで検証したとき高級+セット効果のときはさらにマジェ軽セット効果があるような感覚(0.5*0.5=0.25)でしたが、簡単に計算すると、1.5*1.05*1.05*1.05=耐性値73.64なので大体合致します。
[マヒ攻撃について]
・次はマヒに関して見てみましょう。
マヒ攻撃補正は意外に少なく、フリン首と領地耳くらいしかありません。パッシブ系スキルや自力で耐性を付与できる手段も限られている系統なので、耐性もややつけにくいです。
Case5-1:デスティノローブ(DCローブ)を装備した防御側に、フリン首/領地耳を装備した攻撃側が、60%の成功率のマヒ攻撃を行う。
攻撃側:1.15*1.15=1.3225より攻撃値32.25
防御側:1.5より耐性値50
特性差=32.25-50=-17.75
Debuff成功率=0.6*0.8225=49.35%
フリン首、領地耳を装備した相手に対し、DCローブだけでは成功率の高いマヒ攻撃の場合1/2で食らってしまいます。
マヒ耐性をもった領地耳はかなりマイナーな領地であるため、狙って手に入れなければいけません。フリン首と防具の場合を見てみましょう。
Case5-2:フリン首/デスティノローブ(DCローブ)を装備した防御側に、フリン首/領地耳を装備した攻撃側が、60%の成功率のマヒ攻撃を行う。
攻撃側:1.15*1.15=1.3225より攻撃値32.25
防御側:1.5*1.15=1.725より耐性値72.5
特性差=32.25-72.5=-40.25
Debuff成功率=0.6*0.5975=35.85%
フリン首があれば1/3まで落とすことができます。これ以上の補正はタリスマンなどに依存します。
フォーティチュードという麻痺耐性を30%増加させるトグルスキルを持つクラスは、同条件で併用することで耐性値が124まで上げることができ、基本的にマヒの確率は1/12(約5%)まで下げることができます。ローグクラスは(ry
補正が積み重なってくると、単独での効果が小さいものほど、成功率が低い状態からの爆発的なブースト(成功率でみると)や、逆に一気に成功率が下がる可能性があります。
特にタリスマンやパッシブスキルのSE、トグルスキル、血盟/領地スキルなどはその傾向にあたります。(耐性の仕上げという位置で)
また、効果が小さく軽視されがちな混沌アクセや、宝石のダイナスティなんかも状況によっては、Debuffをほぼ無効化するまでに至る効果を得られます。
スタンについては、古い解析サイトによると、
シールドスタン/バッシュ:基礎成功率0.8
ハンマークラッシュ/スタンショット/ソウルブレーカー:基礎成功率0.5
ハンマークラッシュ+30:基礎成功率0.8
スタンショット+30:基礎成功率0.78
ソウルブレーカー+30:基礎成功率0.82
のようです。単独で出せる最大の成功率はシールドバッシュチャンスSEかスパイクBuff状態のハンマークラッシュ+30かもしれません。
察しのいい人は気づいているかもしれませんが、この理論はすべて乗算なので基本的に防御側が有利です。
なぜなら、計算した上での攻撃値と耐性値の差が影響を与えるので、基本的に全く同じ装備でないと相殺できません。例えば、共にザケンと勇士耳を装備しており、防御側がマジェ重を装備していた場合、攻撃値は44、耐性値は116。
ザケンと勇士耳は相殺されると思ってしまいますが、116から44を引いても72残るので、スタン成功率はマジェ重の50%ではなく、最終的な差から72%軽減されてしまいます。
たとえ攻撃補正が充実していても、戦争のような、他の助けや補正がある環境ではデバフの成功率はがた落ちになるのです。
魔法に関しては、Debuffの成功率の上限がどの段階で掛かるかは未調査なので保留にします。