・メモ

ニーチェ全集の第1巻を読んでみた。本書を読むきっかけは、数年前に葛西教授がニーチェは哲学以前は西洋古典の文献学の研究者だったという話(多分)を思い

 

[古典ギリシアの精神/¥2,090]

[フリードリッヒ・ニーチェ著、戸塚七郎他訳/筑摩書房(1994/5/9)]

[651p/978-4-480-08071-4]

[西洋古典学、プラトーン、古典ギリシア、宗教、ギリシア人の祭祀、プラ

 

 

・メモ

翻訳家柳瀬尚紀氏の著作。題名から想像するに誤訳に関する記述がかなりのパートを占めるのではないかと予想していたが、果たしてその通りだった。英語に限らず翻訳作業というのはきちんとした文法知識、豊富な語彙に加え、書籍が書かれた当時の社会状況なども知らないと質の高い翻訳文とはならない。本書の中でもあまり表面に出てこない多くの誤訳を取り上げ、修正案を列挙しており大変勉強になる。

 

ただし、誤訳を指摘するにせよ、訳者名までは表出する必要があったのかなぁ。翻訳の作業は正解がない作業なので、そもそも何を正しい訳とし何をそうしないかは意見の分かれるところだ。この時翻訳担当者の名前まで列挙してしまうと、本来はより良い翻訳を生み出すための建設的な議論が、ともすると個人批判になりかねない。柳瀬氏の文章を見てみると、特に「ユリシーズ」の訳を巡って、不満や憤りが文章に表れてしまっており、これはまずい。せっかく名文家なのだから感情的なものは触れずに、翻訳に特化した話にして欲しかった。

 

多分本書で書かねばならぬほどいろんなことがあったのだと想像はできるのだがw

 

[翻訳はいかにすべきか/¥792]

[柳瀬尚紀著/岩波書店(2000/1/20)]

[214p/4-00-430652-3]

[@Iwanami_Shinsho]

[翻訳、抄訳、誤訳、フィネガンズ・ウェイク、ユリシーズ、ジェームズ・ジョイス、澁澤龍彦、吉田健一]

[岩波新書652][自][018][kv 00][bb 04][mt 022]