・メモ

以前のめり込んだカート・ヴォネガットの作品に論評を加えた著作。大学時代〜社会人の初期、彼の作品についてはタイタンの幼女とタイムクエイク以外は全てペーパーバックで読んでいた。

 

当時私のお気に入りはローズウォーター〜からスラップスティックに至る作品群だったが、本書での位置付けは、スローターハウス5を除けば、欠点の多い作品ということになりむしろあまり印象に残っていないカラバゴス以降の四作品たちが戦争体験のトラウマから脱却したヴォネガットの代表作になるということに衝撃を受けた。

 

さらに、本書を読むと、ある小説家に的を絞った場合に文芸評論として何を考慮したら良いかがよくわかってくる。このことは本書を再読したときの読書感想でまとめようw

 

もう一度、ヴォネガットについては全作品をペーパーバックで再読する必要があるな。勿論タイタンの妖女、タイムクエイクも含めて。

 

[カート・ヴォネガット トラウマの詩学 /¥2,970]

[諏訪部浩一著/三修社(2019/6/15)]

[368p/978-4-384-05941-6]

[拡大家族、ドレスデン大空襲、トラウマ、プレイヤーピアノ、タイタンの妖女、母なる夜、猫のゆりかご、ローズウォーターさんあなたに神のお恵みを、スローターハウス5、チャンピン達の朝食、スラップスティック、ジェイルバード、デッドアイディック、ガラパゴスの箱舟、青髭、ホーカスポッカス、タイムクエイク]

[単行本][図][014][kv 00][bb 00]