・メモ

黒田先生の語学エッセイ、多言語学習者あるある等を中心に複数の言語を学ぶものにとって多くの有用な情報が満ちている。英語を大学で教えることになったせいか内容もややスラブ諸語から一般的な外国語についての記述に遷移した印象を受ける。

 

ただ読むに従って、記述に違和感を覚えることが多くなった。原因はなんだろうとあれこれ考えた末、多分黒田先生は自分の行動についても他人の行動についても、満足と思える基準値がかなり高い人なんだと思う。なので自分の行動に対しては満足できていないので、反省し様々な改善を加えることを惜しまない。これは大変いいことなのだが、他人の行動に対しては合格点の基準が高いだけに不満を持つことが多いようだ。そういった人々に対してはものの言いようというか書きっぷりが、厳しいか皮肉っぽくなってしまうようだ。うーん。

 

そう考えると、本書の中で一般論的に語られる、非難や批判は、黒田先生自身が受けてきたものであると想像できる。有名人になるといろんなことを言ってくる人がいるからねぇ。大変だ。

 

そんな黒田先生にはご自分が本書の中で書かれた文章を贈ろう。

「まずは批判も礼賛もしない。ただ静かに受け止める。そのように心がけている」

もう分かってらっしゃるので、あとはそれを常に実践することですねw

 

[その他の外国語/¥2,200]

[黒田龍之助訳/現代書館(2005/3/20)] 

[260pp/4-7684-6892-6]

[スラブ諸語、英語、音声、言い訳、語学を学ぶ、近頃の学生、語学の天才] 

[単行本][自][134]