・メモ

あまり共通点がなかった二人が、何十年ぶりかで出した対談集。対談集ではあるんだが、実はそれほど二人の会話は噛み合っていない。一方の発言に対し、他方の発言が「はあ」とか「(笑)」しかない場合が多い。

 

私が納得できるのは小澤氏の発言かなぁ。音楽家として、教育者として非常に精力的に活動していることが伺えて面白い。

 

一方大江氏の発言を見ていると典型的な左派系文化人の香りがする人だなと思う。ともかく日本の歴代の政治に対する不信感が凄まじい。それは一つには民主政治という言葉に思い込みが強すぎるせいかも知れない。それと、国を愛するということはこの国に生まれてばごく自然な感情だと思うのだがどうもそれを頭の中で国粋主義と変換してしまっているようで発言がおかしい。また今のままにしておくと日本が政治的にも経済的にも文化的にも鎖国に向かうと大きな危機感を持てれているようだが、そんな訳ないだろw

 

[同じ年に生まれて/¥607]

[小澤征爾、大江健三郎著/講談社(2004/1/25)]

[231p/4-12-204317-4]

[作家、指揮者、文化人、左翼、国を愛すること、ナショナリズム、国粋主義、鎖国、教育]

[中公文庫お-63-1][初店][081]