・メモ
西洋史学の授業について行くためにw 講師のかたがかかれた民主政の盛衰に関する書籍を読んでみた。著者が言っているのは単なる政治機構としての「民主制」ではなく、日常生活と密着しているため「民主政」と言うことだ。ごく普通の一般人が役人をやり、裁判制度を担うと言う制度は魅力的である一方危険性も秘めていると感じた。ただ、アテネでは腐敗を防ぐために、選ばれる際の審査と、任期中の審査と、任期満了後の審査があり不正が行えなえないような工夫が随所にある。任期が1年と言うのも取引先と癒着をしにくいと言う意図が明白だ。
しかし、裁判、特に弾劾裁判に関しては、素人審判団の限界か、情実に訴えられると判断が歪むことが多々あったようだ。また何度か寡頭制⇄民主政という揺り戻しの中で、後半には法制度も充実させていったが、末期には微罪に対してでさえ民主政転覆罪が乱発されるなど末期的な状況となりアレクサンダー没後起こした反乱を鎮圧される段階で民主政は終末を迎えることになる。
多くの問題を抱えながらポリスの政治機構として機能していた時期もかなりあったので、もう少し民主政について調査してみたい。
[民主主義の源流 古代アテネの実験/¥1,078]
[橋場弦著/講談社(2016/1/8)]
[281p/978-4-06-292345-3]
[アテネ、マケドニア、カイロネイア、民主政転覆罪、陶片追放、ペリクレス、ソクラテス、民主政、寡頭政、衆愚政治、弾劾裁判、チェック機構、人から法律へ、情実]
[講談社学術文庫2346][ 図初][059]