・メモ

スカートからちらっと下着が覗けば、大多数の男ならちょっと得した気分になるだろう。しかし女が恥ずかしがり、男が喜ぶこういった光景と心理状態が芽生えるようになってから50年くらいしか経っていないという。具体的にいうと数十年前まで女性はパンツを見られることを気にしておらず、それを見た男にもうれしいという気持ちは無かったという。

 

パンチラが市民権を獲得してからまだそんなに時間が経っていないことをこの著者は教えてくれる。着物主体のノーパン状態から、ズロース装着を経て、スカートのミニ化とパンティストッキングの普及により、ズロースの小型化、大量生産化によりパンティが普通になり、装飾化、ファッション化に伴いいわゆるパンチラという現象が羞恥心を催すに至った経緯が多くの資料と考察を元に展開する。

 

著者の井上氏は霊柩車の起源のような興味深いトピックについて非常に面白い研究をされている方で、前半こそノーパンの話が長く読書を中止しそうになったが、後半から段々と面白くなり今一気に最終ページまで読み切ってしまった。

 

[パンツが見える 羞恥心の現代史/¥781]

[井上章一著/新潮社(2018/5/1)]

[483p/978-4-10-121441-2]

[下ばき、ズロース、パンティパンツ、ノーズロ、ショースカ、性的、白木屋、タカクラ・テル、批判、ミニスカート、ストッキング ]

[新潮文庫10915 い-132-1][初図][0091]