・メモ

以前に何度か読んでいた本作品、大学での課題レポート対応のため再度読んでみた。レポート作成までにもう一度読んでみる予定だ。今まではなんとなく読んでいた気がするが、今回は主人公オイディプスの性格、人となりにより着目して読んでみた。

 

このオィディプスという男、スピンクスの謎を鮮やかに得という知性の高さを見せながら、三叉路で出会ったライオス王の従者の無礼な態度に対し激情に駆られて、最終的には王をはじめとする人々を惨殺してしまうなど頭に血が上るとコントロールが効かなくなるような性格的な問題を抱えていることがわかる。この傾向は自国の疫病の原因が自分であると言われたことで、やはり激怒し、これが義理の弟のクレオンの仕業と決めつけてしまうような頑強さも持っていることでも分かる。

 

多分こうした性格上の特異な点が、父親を殺し母親と交わるという許されない罪を犯す伏線となっていたんだろうと想像できる。元になる伝説は存在していたにせよ、見事な悲劇にまとめ上げたソポクレスの技量にも驚かされる。

 

[オイディプス王/¥440]

[ソポクレス著、藤沢令夫訳/岩波書店(1967/9/16)]

[160p/4-00-321052-2]

[ ソポクレス、オイディプス王、イオカステ、ライオス、クレオン、テバイ王家、性格、激情家、自信家]

[岩波文庫赤 32-105-2][初自][0089]