・メモ

哲学者として活躍した河野与一氏のエッセイをまとめた著作。遊びながら哲学をしていると他の研究者から言われたように、本作に収録されたエッセイはとぼけた感じでユーモラスな雰囲気で書かれている。ただ優しい感じで書かれているからと言って書かれた内容が易しいかと言うとそんなことはなくて、ある程度哲学に対する基本的な知識がないと理解できない話も多い。真面目に哲学について歴史から勉強する必要があるなと感じた。そして本書で何よりも驚かされたというか感銘を受けた点は、哲学に深く通じ古典ギリシア語、ラテン語だけでなく10数種以上の欧米言語を自在に操るだけでなく、誰よりも努力家であり勉強家であったという点だ。毎日必ずホメーロスを78行読み進めることを日課とし、毎年イーリアスとオデュッセイアを原文で読み終えていたという点はその語学の実力は勿論、その努力に対しては驚きを隠せない。

 

勉強しないとな(^_^;)

 

[新編 学問の曲り角/¥726]

[河野与一著、原二郎編/岩波書店(2006/6/16)]

[255p/4-00-311641-0]

[ラテン語、古典ギリシア語、田辺元、田中秀央、夏目漱石、遊びながら哲学をしている]

[岩波文庫 緑164-1][再][0031]